過去ログ - 教師「お前は一体どうしたいんだ!」 少女「私は……」
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241:名無しNIPPER[sage]
2015/02/08(日) 14:38:30.54 ID:TLB4JVcI0
なんか文章上手くなっててびっくりしたんだけど
最初は難しい言葉使ってそれっぽく書いた感あるのに今めっちゃ読みやすい
すごく楽しみ


242:名無しNIPPER[saga]
2015/02/12(木) 02:39:21.93 ID://0Asuli0
投下


243:名無しNIPPER[saga]
2015/02/12(木) 02:40:14.31 ID://0Asuli0
そうですね、と少女は考えこむ仕草を見せた。顎を押さえる、細くしなやかな指には、この近さでも節くれひとつ見当たらない。
薄暗い部屋に、少女だけがぽうっと仄白く光っているようだった。

そうして居住まいを正した少女は、落ち着いた声で質問を飛ばす。教師はそれに、ふわふわと芯の抜けた頭で答えていく。

以下略



244:名無しNIPPER[saga]
2015/02/12(木) 02:40:43.36 ID://0Asuli0
少女「……」

教師「どうした? 私はなにか、間違ったことを言っただろうか」

少女「いえ、そういうわけでは……。ただ、先ほど先生はあのクラスを、『いい状態ではなかった』と仰いました。それが少し気になって」
以下略



245:名無しNIPPER[saga]
2015/02/12(木) 02:41:13.94 ID://0Asuli0
少女「他の教員はどうでしたか? 先生の障害にはならなかったのでしょうか」

教師「なったな。というか、あの連中は私のやる事なす事すべてに文句をつけたよ。その生徒のこともそうだし、授業運営上の要請などもな。たいていは意味のない言いがかりレベルだったから、反論するのも簡単だったが」

少女「そういえば、体育の授業の方式が変わったことがありました。自由に二人組を作るのが、生徒に番号を振って、授業ごとに違う相手と組むように。あれも先生が?」
以下略



246:名無しNIPPER[saga]
2015/02/12(木) 02:42:01.89 ID://0Asuli0
少女「私ではないのですよ、先生。私はたしかに大きな要素ではありましたが、あのクラスがああも壊れてしまったのは、私だけの責任ではありません。また、先生が他の教員から疎まれたのも、私だけが理由ではない。先生が感じていらっしゃるのは、そういうことでしょう?」


247:名無しNIPPER[saga]
2015/02/12(木) 02:42:30.81 ID://0Asuli0
教師「な――」

少女「あのクラスも、決して良くなっていたわけではないのです。むしろ、より悪化していた。あのクラスの人間は、先生のおっしゃる他の教員などよりも、ずっと先生を憎んでいましたよ。そして、畏れてもいました」

少女は言う。
以下略



248:名無しNIPPER[saga]
2015/02/12(木) 02:42:58.71 ID://0Asuli0
少女「彼らは、自分で自分のことを決めたくはなかったのです。学校から離れたいわけではなかった。学校という箱に押し込められるのは窮屈だけれど、それはそれで仕方がない。でも、腹が立つから、教員の言うことは聞きたくない。それで教員よりも優位に立てるなら、なお良いでしょう」

少女「だから畏れたのです。先生は当たり前のような顔で、彼から学校を取り上げようとなさいました。望まないのならば与えない、その当然の論理を、先生は実行しました。このままでは学校から排除される。だとすれば、彼らはどこに行けばいいのでしょう?」

教師「それは、フリースクールだとか、保健室登校と言う手立てもある。教育課程もクリアする方法はあるし、日本では認められていないが、家庭教育で補うということも出来る。これには裁判などで権利を争う必要もあるが――」
以下略



249:名無しNIPPER[saga]
2015/02/12(木) 02:43:28.36 ID://0Asuli0
教師「そうしなければならなかったからだ。お前の置かれた状況は、その性質がほかの誰とも違っていた。おそらくは悪い方だった。だから私は、私の出来る限りで、お前の障害を取り除かなければならない。それが私の、教員としての責務だ」

それだけは本当だった。そこに少女への執着がどれだけ混じっていようとも、教師はそのために行動したのだと。それだけは、誰にも恥じずに胸を張れる。

だから、少女が切なげに目を伏せたのが、妙に気掛かりだった。
以下略



250:名無しNIPPER[saga]
2015/02/12(木) 02:43:56.04 ID://0Asuli0
少女「はい。私はどうやら近寄りがたいようで、素直に私に近づいてくる人はいませんでした。私をどうこうしようというなら、それは不正な手段によるしかなかった。それでは先生と衝突してしまうでしょう?」

たとえば、と少女は人差し指を立てる。

少女「私の私物が盗難されたことがありました。あれも一年次のことでしたね。あのときは先生に相談して、私物の管理を徹底するように取り計らってくださいました。個人ロッカーの錠を厳重にして、生徒個人で管理できるようにして。けれども、当時の担任とは揉めていらっしゃいましたね?」
以下略



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