過去ログ - 教師「お前は一体どうしたいんだ!」 少女「私は……」
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67:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/27(日) 21:12:58.88 ID:z9W9RmgV0
彼女に少しでも近づきたい、あわよくばその隣に侍り、伴侶としてありたいという思い上がりはその時、身を切るほどに深い傷となったのだろう。
それでも諦めきれない妄執だけを残して、魂を腐らせるように頽廃し――誰かが彼女に近づくことを許さなくなる。

おそらくはこれが彼女の身に起きている事態の全容だった。

以下略



68:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/27(日) 21:13:27.91 ID:z9W9RmgV0
教師(私が教員失格であることと、教員としての義務を放棄することは全く別の問題だ。いや、むしろだからこそ、私は彼女を救わなければならない)

そもそも教師は社会の一員として、未成熟な児童が不当に虐げられているならば、それを救わなければならない。その義務を、教員という立場を通じて履行しなければならないのだ。
望むと望まざるとにかかわらず、この義務は万人に課せられている。これを放棄することは、拠って立つべき社会規範の一切を喪失することで、それはつまり社会からの逸脱を意味する。

以下略



69:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/27(日) 21:14:02.82 ID:z9W9RmgV0
時計を見れば、教頭の話が始まってから悠に30分が経過していた。
教頭は相変わらず、少女の常と変わらぬ艶姿を目の当たりにして恍惚としては我に返り、媚を売るように笑う。

眉根が釣り上がるのを感じた。同時に、副担任が教師に視線を向けているのに気付いた。
副担任はにやにやと気色悪い笑みを浮かべている。
以下略



70:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/27(日) 21:14:33.92 ID:z9W9RmgV0
実のところ学校は、保護者に対して何らかの強制力を働かせる権限を持たないのだ。特に児童保護においては公権力執行の主体は各市町村に置かれた専門部局であり、学校はその媒介をするに過ぎない。

つまりこの通告は、学校は現時点では様子見を決め込み、何ら実効性のある対策を打たず、そのための協力を拒むという意思表示なのだ。この怠惰が覆されるときには、事態の収拾はほとんど不可能になっているかもしれない。
それを思うと居ても立ってもいられないほどの焦燥が教師を襲うが、教師は学校の決定に逆らえない。逆らうための実力が教師にはなかった。

以下略



71:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/27(日) 21:15:30.22 ID:z9W9RmgV0
そもそも彼女への奉仕をなぜここまで嫌がるのか、教師にはさっぱりわからなかった。彼女の境遇を救ってやれるなら、彼らは喜んで教師に賛同するのが道理ではないか。
たとえ彼らがいかに教師を敵視していようと、それと彼女への慕情は釣り合うものではないはずだ。ゆえに彼らの消極的姿勢は教師への敵意によるものではないことになる。

では何が気に入らないのか、教師には何も思い当たることがなかった。
なぜここまで疎まれなければならないのか、と考えかけてはっとする。
以下略



72:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/27(日) 21:15:59.20 ID:z9W9RmgV0
恐る恐る顔を横にすべらせた。

少女が教師を見つめていた。



73:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/27(日) 21:16:58.56 ID:z9W9RmgV0
象牙の頬に差した赤みは夕焼けのせいだけではあるまい。少女は心配そうに、わずかに眉尻を下げていた。ゆるく頬に添えられた手は同時に口元を隠していて、隙間に見える瑞々しい口唇は物言いたげに閉ざされていた。

少女は教師の様子がおかしいことに気付いたのか、ことりと首を傾ける。ややあって、その瞳が申し訳なげに伏せられる。薄布のベールを翳したように瞳の色は複雑で、深い感情を湛えているように見えた。

これだったのだと確信した。その事実はあまりに残酷で、教師にとっては存立する社会基盤を根こそぎひっくり返す危険なものだったから、必死に否定してきたのだ。
以下略



74:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/27(日) 21:19:21.01 ID:z9W9RmgV0
今日はこれで終い

つーかただ少女に対応伝えるだけがなんでこんなに長くなんの?
あとイベント2、3あるのに(震え声)


75:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/07/28(月) 00:31:52.48 ID:rrvb43470
会見ってのはなんか違和感があるな
面談の方が学校的な気がする


76:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/07/31(木) 14:08:43.20 ID:fRJbTlNLO
乙です。
少女の描写の細やかさに読み入ってしまいました。
続き楽しみにしてます。


77:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2014/08/26(火) 02:13:43.83 ID:ZCdFG+tm0
いかん、最近忙しい

もうちょい放置


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