過去ログ - 先輩「そこから見えるのは、どんな景色ですか?」
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2014/07/16(水) 00:09:41.13 ID:8oJAdiKmo
「じゃあ、どういう問題なんですか?」
真正面から問い返すと、先輩は一瞬気後れしたような様子を見せた。
それでも結局、もごもごと口を動かして、言いにくそうに言葉を続ける。
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2014/07/16(水) 00:10:27.46 ID:8oJAdiKmo
「まあ、息抜きっていうか……」
俺の答えに、先輩はほっとしたようにため息をついた。
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2014/07/16(水) 00:11:24.39 ID:8oJAdiKmo
「……息抜きって、なんだっけ?」
「今日はみんな乗り気じゃないみたいで」
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2014/07/16(水) 00:12:04.22 ID:8oJAdiKmo
「いいかげんオセロも飽きてきたよね」と「みさと」がいつものような落ち着いた口調で言う。
彼女は今学期から編入してきたばかりで、最初はだいぶ居心地悪そうにしていたけれど、今はだいぶ馴染んでいる。
もともと同学年の女子部員がいなかったから、うまく距離感がつかめなかっただけなのかもしれない。
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2014/07/16(水) 00:12:49.17 ID:8oJAdiKmo
ちょっと困ったような気分になる。
べつに俺だって、サボりたいとか遊びたいとか思ってたわけじゃない。
「わたしがいるときだってけっこう適当だったから、変わってないっていえば、変わってないんだけどさ」
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2014/07/16(水) 00:13:35.34 ID:8oJAdiKmo
「……まあ、いっか」
と先輩は諦めたみたいな顔をして、それからきょろきょろと部室を見回した。
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2014/07/16(水) 00:14:48.55 ID:8oJAdiKmo
◇
「書けない」と、一週間前の水曜、苦しげな表情をつくって、大澤が言った。
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2014/07/16(水) 00:16:06.87 ID:8oJAdiKmo
次に大澤に声をかけたのは「みさと」だった。
リバーシは部内最弱を誇る「みさと」だったけど、大澤の扱いに関しては誰もが認めるプロフェッショナルだ。
「みさと」特有の会話のテンポや声のスピードは独特の癒し時空を発生させる。
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2014/07/16(水) 00:18:34.15 ID:8oJAdiKmo
◇
そんな水曜の顛末をひなた先輩に伝えると、彼女は一言、
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2014/07/16(水) 00:20:12.27 ID:8oJAdiKmo
◇
大澤の様子がおかしくなりだしたのは、文化祭が終わって二週間が過ぎた頃のことだった。
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2014/07/16(水) 00:21:45.54 ID:8oJAdiKmo
「みさと」が書いたのは絵本のようなほのぼのとした雰囲気の話だ。
特に面白がる要素もないのに気付くと読み終わっていて、さらりとした読後感がある。
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