過去ログ - 高木「人生に乾杯を!」
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24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/07/24(木) 14:58:46.01 ID:9uLTT2Jd0
「お客さん」
「へっ?」

 喫茶店のマスターが、急に僕に話しかけてきた。
「相席、お願いしても良いですかね」
以下略



25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/07/24(木) 15:01:05.20 ID:9uLTT2Jd0
 優男は、以前として笑顔を崩さず、僕を見つめている。
 彼の狙いが分からない。

「同業の方、とは――失礼ですが、どのようなお仕事を」
 心情を悟られないよう、努めて冷静に、彼に聞いてみた。
以下略



26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/07/24(木) 15:04:20.13 ID:9uLTT2Jd0
「あなたは、どう思いますか? 同じプロデューサーとして」
 おまけに面倒くさい男のようだ。適当にあしらっておくに限る。

「そうですね――私もそう思います」
「ありがとう。同じ志を持つ人に出会えて、嬉しいです」
以下略



27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/07/24(木) 15:06:43.73 ID:9uLTT2Jd0
 彼の名刺を訝しげに眺めていると、先ほど閉まったばかりの店のドアが突然開いた。

「黒井、いるか!?」
 入ってきたのは高木だ。この時間はレッスンのはずだが――。

以下略



28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/07/24(木) 15:08:57.16 ID:9uLTT2Jd0
 だが、こういう事態は、ロクにスカウトできていなかった僕のせいでもある。
 それに、まだ候補生だが、アイドルが一人もいなくなったわけでは無い。

「こうなったら、音無さんに賭けるしかないか」
 椅子にもたれ、天井を見上げながら、僕は半ば諦めるように呟いた。
以下略



29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/07/24(木) 15:10:44.55 ID:9uLTT2Jd0
 高木は難題が降りかかっても、さも簡単そうに言う。
 実際、何だかんだで上手く収めるコイツの手腕に助けられたことも無いわけでは無い。

 しかし、今回は、少なくとも僕にとっては程度が違う。
 エレクトロニック・ダンス・ミュージックは、僕にとって隠し玉――最後の切り札だ。
以下略



30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/07/24(木) 15:13:51.97 ID:9uLTT2Jd0
 二日後、音無さんが書類を持って事務所に来た。
 未成年なので、契約に当っては保護者、つまり親の同意書等が必要になるのだが――。

 ん――苗字が違う?

以下略



31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/07/24(木) 15:16:06.07 ID:9uLTT2Jd0
「おーっす、どうだ終わったか?」
 次の言葉が見つからなくなった僕達の間に、高木が割り込んでくる。
 コイツは、良い意味でも悪い意味でも、つくづく空気が読めない男だ。
「何だよもう、こんなの時間かけなくていいよ、オッケーオッケー、終わり! 契約完了!」

以下略



32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/07/24(木) 15:18:54.28 ID:9uLTT2Jd0
 かくして、僕と高木と音無さんは、馴染みのレッスンスタジオへ向かった。

 白のTシャツに黄緑色のジャージ上下――。
 彼女が着替えてきた運動着姿は、服装こそおよそオーソドックスではあったが――。

以下略



33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/07/24(木) 15:23:14.79 ID:9uLTT2Jd0
「じゃあ、まず1で右足前。そうそう、で、2、3でこう足を揃える――」
「ん――」

 たどたどしいステップを踏み始める音無さん。
 何度も同じところを、繰り返し繰り返し――まだ要領を得ない。
以下略



34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/07/24(木) 15:25:17.15 ID:9uLTT2Jd0
「よし、それじゃあダンスレッスン終わり!
 ボーカルレッスンしようぜ。ここと違う階に専用のスタジオがあるんだ」

 呆気に取られる彼女に、早く立ち上がるよう高木はジェスチャーを繰り返す。
 そうしながら、ふと僕の方に顔を向け、ニカッと笑ってみせた。
以下略



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