313: ◆nv1kPr3aqINd[saga]
2014/09/15(月) 20:34:57.98 ID:rWHPqgck0
◇◇
あまり綺麗じゃないけれど、そう言われて恐る恐る踏み込んだ部屋の中は生活感に満ち溢れていた。
314: ◆nv1kPr3aqINd[saga]
2014/09/15(月) 20:36:18.46 ID:rWHPqgck0
枕がある。いやそれは当たり前だ、私は枕に関してはとてもこだわりがあって小さい頃から使っているお気に入りの枕でないと眠ることが出来ない。でも、でもなんで枕が三つあるんだろう。
二つは真っ白でフリルがついたもの。もう一つは黄色でフリルがついているもの。
315: ◆nv1kPr3aqINd[saga]
2014/09/15(月) 20:46:42.62 ID:rWHPqgck0
ことり「最近寒いね」
花陽「そうだねえ」
当たり障りのない会話で、沈黙が訪れるのを回避する。私も花陽ちゃんもあんまり長く話すタイプじゃないから、必然的に黙っている時間というものが存在する。他の人といる時は大体私はその人の話を聞いているだけだから、自分から話すことが見当たらない。私自身はその沈黙は嫌ではないんだけど、相手がどうかわからない。私はそれが不安で、沈黙は嫌いだ。
316: ◆nv1kPr3aqINd[saga]
2014/09/15(月) 20:47:40.00 ID:rWHPqgck0
それは私にとって当然の疑問。屋上で花陽ちゃんに家に来ないか、そう誘われて勿論嬉しかった。さっきは花陽ちゃんの勢いに押されてなんとなくついて来ちゃったけれど……本当にどうして私だけなんだろう。今までそんなこと無かったのに。
凛ちゃんの枕を手にとって、もふもふしながら花陽ちゃんに尋ねる。すると花陽ちゃんはなんだかバツの悪そうな反応をして、声を曇らせた。
花陽「あ、えーと」
317: ◆nv1kPr3aqINd[saga]
2014/09/15(月) 20:48:59.89 ID:rWHPqgck0
◇◇
ことり「うぅ、それ!!」
318: ◆nv1kPr3aqINd[saga]
2014/09/15(月) 20:52:29.46 ID:rWHPqgck0
凛ちゃんが花陽ちゃんの部屋に置いているというゲームはそこそこ昔のものだった。穂乃果ちゃんも持っていたこともあって、私も経験があった。勿論当時から海未ちゃんには負けたことはないんだけど。
穂乃果ちゃんと海未ちゃん以外とはやったことがなくて、自分の強さとかはわからないけどもしかしたら結構私強いのかも?
319: ◆nv1kPr3aqINd[saga]
2014/09/15(月) 20:57:03.29 ID:rWHPqgck0
立ち上がって、カバンを持った時。
花陽「――ま、待って!」
320: ◆nv1kPr3aqINd[saga]
2014/09/15(月) 20:59:33.93 ID:rWHPqgck0
花陽「……ごめんね。私のことだから」
ことり「……」
321: ◆nv1kPr3aqINd[saga]
2014/09/15(月) 21:03:12.32 ID:rWHPqgck0
不意に温もりを感じた。視界に映っていた花陽ちゃんの不安そうな横顔が消えて、今ではその向こうの扉を捉えている。でも視界半分くらいは、花陽ちゃんの頭が映って、肩に回された腕は想像以上に強く先ほどまで弱々しかった花陽ちゃんとはまるで別人のようだ。しかしそれとは対照的に肩は震えていた。
何故私は抱きしめられているんだろう。花陽ちゃんの荒い吐息が首筋にかかってむずむずする。
322: ◆nv1kPr3aqINd[saga]
2014/09/15(月) 21:06:39.67 ID:rWHPqgck0
◇◇
希「んーん、もう少しかな」
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