過去ログ - 伊織「もう…いないのよ」
1- 20
1: ◆aC0nKsFZuuYT[saga]
2014/07/29(火) 19:50:22.63 ID:fTmjfMZhO
初投稿です。本編はほとんど無視します。
書き溜め有です。すぐに終わります。
おかしな部分がありましたら、指摘をしてくださるとありがたいです。
それではよろしくお願い致します。

SSWiki : ss.vip2ch.com



2: ◆aC0nKsFZuuYT[saga]
2014/07/29(火) 19:51:54.56 ID:fTmjfMZhO
暑さが厳しい夏の日。すっかりメジャーとなった765プロ。その事務所の中で、キーボードを打つ音が響く。

「暑いわね…。」

日は傾いていた。それでも夏の蒸し暑さは緩まず、誰もいない事務所で、そう呟いた。
以下略



3: ◆aC0nKsFZuuYT[saga]
2014/07/29(火) 19:53:35.69 ID:fTmjfMZhO
『水瀬伊織』という名を半年前まではおそらく知らぬ人はいなかっただろう。彼女がトップアイドルの地位を確立したのは5年前の話だが、その人気は一向に衰えなかった。

「髪、短くなったわね。」

「そうね、少し邪魔だったから。」
以下略



4: ◆aC0nKsFZuuYT[saga]
2014/07/29(火) 19:55:00.70 ID:fTmjfMZhO
「やっぱり、彼のことかしら。」

「…そうよ、あいつは…一年で戻ってくるって言った。でも…二年経っても、三年経っても帰ってこなかったわ。それでも…もしかしたら帰ってくるかもしれないから待っていたわ。心の中ではわかっていたのよ…。でもっ…!」

「伊織…。」
以下略



5: ◆aC0nKsFZuuYT[saga]
2014/07/29(火) 19:57:13.18 ID:fTmjfMZhO
その後の言葉を、律子は言わなかった。いや、言えなかったのだろう。5年という長い年月で、彼女がどれほど苦しんだのだろう。彼女はその苦しみを乗り越えようとしている。この先の言葉を言ったら、また彼女を苦しめることになるかもしれない。そんなことを考えていると、律子は言葉がでなかった。

「…結局。プロデューサーという職に就いた時点で、あいつのことを諦めきれていない証拠なのよね。」

そう言うと、伊織は力無く鼻で笑った。夕日を浴びた顔は、一層輝きを増していた。


6: ◆aC0nKsFZuuYT[saga]
2014/07/29(火) 19:58:34.65 ID:fTmjfMZhO
「私だけだわ。いまだに現実を見ていない。みんな、しっかり現実を見ようとしているのに…。」

「ねぇ、伊織。あなたがプロデューサー殿とどういう関係だったかは、この事務所のみんなが知っているわ。だからみんな、あなたがどれだけ傷ついているかわかっているつもりよ。でも、過去に縛られたままで、楽しかった思い出までも無くしてしまうのはダメだと思うわ。」

「あんたと私。さっきと言っていることが逆ね。」
以下略



7: ◆aC0nKsFZuuYT[saga]
2014/07/29(火) 20:00:47.81 ID:fTmjfMZhO
車を運転しながら、伊織は考えていた。逃げていると言われ、何も言い返せなかった。自覚はあった。みんなが、彼の思いを受け取り、アイドルを続けていた。美希だって辛かったであろう。いや、今も苦しんでいるかもしれない。それでもアイドルを続けていた。彼の願いを実現させるために。それなのに、みんなより先にトップアイドルになった自分はアイドルを引退した。彼がいない苦しみに耐えきれず、逃げていた。笑うことまで…忘れていた。

「…わかっているわよ…そんなこと。」

自分に言い聞かせるように言った。その目は泳いでいた。逃げていただけの自分を一番変えたいのは、他ならない自分だからだ。
以下略



8: ◆aC0nKsFZuuYT[saga]
2014/07/29(火) 20:02:04.18 ID:fTmjfMZhO
「…もしもし律子?どうしたの。」

『伊織。今ね、ハリウッドにいた凄腕の敏腕プロデューサーが日本に来ているの。そういうのは私よりあなたが適任だと思ってね。行ってくれるかしら?』

「はぁ?ハリウッドの敏腕プロデューサー?なんでわざわざ私が会わなきゃいけないわけ?春香はどうすんのよ。」
以下略



9: ◆aC0nKsFZuuYT[saga]
2014/07/29(火) 20:03:33.26 ID:fTmjfMZhO
「ハリウッド…ねぇ…。」

その言葉を聞くと嫌でも思い出してしまう。ついさっき、決意を固めたはずなのに。

「私、こんなに弱い女だったかしら。」
以下略



10: ◆aC0nKsFZuuYT[saga]
2014/07/29(火) 20:05:26.98 ID:fTmjfMZhO
「…好都合ね。さて、敏腕プロデューサーとやらはどこかしら。」

その時。伊織は少し疑問を持った。

「律子は、なんでこのことを知っていたの…?」
以下略



11: ◆aC0nKsFZuuYT[saga]
2014/07/29(火) 20:06:43.48 ID:fTmjfMZhO
ハリウッドに律子の知り合いはいたか。そんなことを聞いたことはない。…いや、聞いたことがなくても知っているはずだ。

「まさか…。いや、そんな…。」

あるわけがない。5年も音信不通だった人間が、いまさらひょっこりと帰ってくるのか。だが、一番しっくりくる回答だった。
以下略



12: ◆aC0nKsFZuuYT[saga]
2014/07/29(火) 20:07:55.27 ID:fTmjfMZhO

「おかえり、ずいぶん遅かったじゃない。」


13: ◆aC0nKsFZuuYT[saga]
2014/07/29(火) 20:11:29.31 ID:fTmjfMZhO
終わりです。なんか、一瞬で終わりましたね。
指摘をしてくれといっておきながら指摘をしていただく時間もありませんでした。
読んでくださった人がいるとは思いませんが、
ありがとうございました。


14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[Sage]
2014/07/29(火) 20:19:14.38 ID:qEh42t0x0
縺医∴繧繧


15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/07/29(火) 20:31:39.27 ID:pm8+VWKko

出来れば後日談も見たかったかな


16: ◆aC0nKsFZuuYT[sage]
2014/07/29(火) 20:37:18.99 ID:fTmjfMZhO
後日談は今度暇があれば書いてみます。


17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2014/07/29(火) 21:01:55.96 ID:M9xakE4K0
おつおつ!

後日談楽しみだww


18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/07/29(火) 21:01:57.21 ID:SqJ1Pm23O
後日談書く気ならこのスレそのまま残しておけばいいじゃん
流石に短すぎる


19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/07/29(火) 22:43:20.58 ID:EgYsMYWNO
乙乙


20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/07/30(水) 06:34:59.67 ID:eVhOrYeyo
おつ!

またなんか書いてくれ


21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/07/31(木) 23:18:03.00 ID:SburDFkvo
ex14.vip2ch.com


21Res/8.73 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice