21: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 22:11:33.22 ID:gz+5vwBbo
貴音「まこと、密度の濃い一年でした。経験する何もかもが、未知のきらめきに満ちていて……」
P「楽しかったか?」
貴音は深くゆっくりと頷いた。
22: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 22:13:20.75 ID:gz+5vwBbo
下へ降りる階段の方へ五、六歩ほど歩いたところで貴音が立ち止まる。
貴音「……プロデューサー」
彼女はこちらを振り向かずに言った。
23: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 22:16:51.89 ID:gz+5vwBbo
――黒田の車で移動を始めてから数時間が経っていた。
P「……まだ着かないのか」
黒田「それ訊くのさっきから何度目だぁ? ……もうすぐのはずだけどな」
24: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 22:19:11.16 ID:gz+5vwBbo
ひとまず車から降りて周囲を眺め見る。
田んぼや畑ばかりが目立つ。電柱の住所表示からここが目的地の暁月村であることには違いない。とりあえず誰か村の人に話を聞きたいところだが……
黒田「人口約1000人。三方を山に囲まれたさびれた村……そう聞いちゃあいたが、予想以上に寂しいところだな」
25: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 22:21:26.24 ID:gz+5vwBbo
……かくして黒田としばらくの間、別行動を取ることになったわけだ。
仕方なく歩いて広場へと向かうことにする。
道のりの途中、焼き魚だろうか、食欲をそそられる匂いに導かれ定食屋へと立ち寄ることにする。
26: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 22:23:09.11 ID:gz+5vwBbo
――折角なのでこの村について話を聞きたいと思い、相席させてもらう。
料理を待つ間、互いに自己紹介をした。
三人は大学で同じゼミをとっている間柄で、今回は教授に連れられ民俗学の研究のためこの村にやってきているのだという。
27: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 22:25:43.21 ID:gz+5vwBbo
P「勘違いしてるようだけど、その四条家がうちのアイドルである四条貴音と関係があるかっていうのは、俺にもまだわからないんだ。それを確かめにきたっていうのが正しい」
青山「はぁ、そうなんすか……それにしても知らなかったな。まさか四条貴音が失踪だなんて……」
P「あ、今の話はくれぐれも他言無用に頼むよ」
28: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 22:27:10.86 ID:gz+5vwBbo
P「それって、こう……銀色の髪をした女の子ですか?」
店員「ええ! 四条様のところの貴音お嬢様でしょう? 一週間ほど前に村にお戻りになられたんですよ」
P「はぁ、貴音お嬢様……」
29: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 22:32:32.71 ID:gz+5vwBbo
朝、家を出る時にパンを一枚胃の中に入れたっきりで空腹だったせいもあり、あっという間に完食してしまった。
白河「……ところで、おばちゃん」
白河くんが切り出した。
30: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 22:37:09.56 ID:gz+5vwBbo
P「霊能力って……そんなまさか」
本気で言っているのか? テレビの特番じゃないんだぞ?
店員「お客さん」
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