3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/13(水) 22:15:53.80 ID:Gm5y04qy0
照り返した日光で、いつも歩んでいるこの道は、まるで別世界の様相だ。
それが本当に照り返しだけなのか、暑さに中てられた俺の視野が幻想を見せているのか、そんな事さえ判別できない。
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/13(水) 22:17:00.97 ID:Gm5y04qy0
まだ朝も早い時間だというのにこれだけの暑さなのだから、昼を過ぎた辺りではいったいどうなってしまうのだろうか。
毎年聞く話だが、こういう日は熱中症で亡くなる人間も出てくるらしい。
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/13(水) 22:18:13.75 ID:Gm5y04qy0
悲しい時には泣くというのが一般的な行動だろう。
だけど、俺にそんなことが出来るだろうか。
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/13(水) 22:19:28.72 ID:Gm5y04qy0
扉に手をかけると何の抵抗も無く開いた。まだ早い時間だが、誰か既に来ているようだ。
ちひろさんだろうか。誰にせよもう人が居るなら、室内はクーラーですっかり冷やされている事だろう。
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/13(水) 22:21:15.08 ID:Gm5y04qy0
___
「おはようございます」
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/13(水) 22:22:24.42 ID:Gm5y04qy0
藍子、と、名前を呼び掛けたのにも拘らず、彼女は振り向くことは愚か、まるで俺に気付いていないみたいに身じろぎ一つしなかった。
(寝てるのかな…?)
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/13(水) 22:23:42.67 ID:Gm5y04qy0
室内は今が真夏とは思えない程クーラーによって冷え切っている。
そう広い事務所でもないけど、このクソ暑い中これだけの温度にするためには少々時間を要するというもんだ。
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/13(水) 22:25:04.35 ID:Gm5y04qy0
ぐだぐだ考えても仕方のない事だし、起こして藍子本人から直接聞けばいいんだ。
「藍子、起きろ。もう朝だぞ」
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/13(水) 22:26:24.78 ID:Gm5y04qy0
「おい… って、うわ!」
いい加減反応を示さない藍子に痺れを切らして、彼女の肩に手を置き揺さぶろうとした。
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/13(水) 22:27:42.12 ID:Gm5y04qy0
「おい… 起きろよ!」
俺の予感なんて当たっている訳がない。そう思いながらも焦りで語調が強くなっている自分を、何処か遥か遠く感じた。
85Res/43.75 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。