過去ログ - 律「澪と寄り道して帰る話」
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72:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 22:48:14.40 ID:Gqx9SXLWo

 飛びついて携帯を奪おうとしてテーブルにおでこをぶつけた。
 痛みが染みる。

「返せよ、みお! それ絶対あたしの黒歴史になるからっ!」
以下略



73:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 22:50:27.71 ID:Gqx9SXLWo

 思い出した、午前四時半のベッドサイド。
 だいたい二十四時間くらい前。

 自己嫌悪を煮詰めるような悪夢にうなされて、
以下略



74:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 22:52:41.23 ID:Gqx9SXLWo

 画面の中の私はまだ目を細めていて、
 相変わらず正面を向けずに洗面台の上の歯ブラシを凝視していて、
 おどおどと胸元を隠すように握ってたりして、
 肩の線がやけに小さく見えて、
以下略



75:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 22:54:54.67 ID:Gqx9SXLWo

 わかるかな、紙のバネ。

 ストローの細長い紙袋2本を直角に重ねて、
 互い違いに折り込んで作る、
以下略



76:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 22:57:08.11 ID:Gqx9SXLWo

 捨てようとしてた私の紙屑は、澪のと重なって一つの形をなしていた。

 伸ばしてみると少しずつねじれて、
 まるで DNAのらせん構造 のように
以下略



77:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 22:59:21.53 ID:Gqx9SXLWo

 ごごご、とストローをすする音が聞こえた。
 見たら澪が、私の水コーヒーを飲み干してた。

「あ、ばか、それまずいんだから捨てようと、」
以下略



78:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 23:01:34.85 ID:Gqx9SXLWo

 たぶん、長い間ほっといたせいで分離してたんだ。
 私は沈殿したコーヒーだけ飲んで、
 澪は透明な上澄みを飲み干した。

以下略



79:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 23:03:48.27 ID:Gqx9SXLWo

 両手で顔を持ち上げられた。
 目に刺さる光の痛みが角膜を潤ませる。
 そうだ、涙が出そうになったのはまぶしいからだ。

以下略



80:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 23:06:01.72 ID:Gqx9SXLWo

「なに言ってんだよ、聡のやつ、私らのことバッチリ見て、」

「聡は何も見てない。何も知らない。
 お母さんが、
以下略



81:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 23:08:15.17 ID:Gqx9SXLWo

 大丈夫だよ、って澪がいう。

 もらった紙のバネを手のひらでつぶさぬよう指に力をこめたら、
 まぶたの奥まで熱にひたされだした。
以下略



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