過去ログ - 提督「心から愛しい羽黒に捧ぐ。」
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43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/09(火) 22:00:41.49 ID:IthOZGUao
 私の脳裏にはいつも最期の響がいる。

 吹き飛んだ顎をゆがめながら笑みを浮かべて敬礼をしていた彼女に打ち込んだ銃弾の薬きょうは、私の机にしまっている。

「ずるいです、司令官さんは」
以下略



44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/09(火) 22:06:51.19 ID:IthOZGUao
こんなところで。響の提督諸兄にとっては面白くもない展開になったと思います。申し訳ありません


45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/10(水) 21:44:15.89 ID:H4EHr0uqo
 夜。

 執務室で薄く埃を被ったCDプレイヤーが部屋の空気をゆらす。

「提督もCDなんて持ってたのね。旧石器時代の人かと思ってたからびっくりしたわ」
以下略



46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/10(水) 21:54:26.74 ID:H4EHr0uqo
 私が部下の中で苦手とするのは「夕張」「神通」「妙高」の3人だけ――のはずだ。

 夕張と神通は私の着任直後から従ってくれている戦友で、妙高は私が心から愛する羽黒の姉。

 一度妙高と話した際は「羽黒を泣かせたら承知しませんから」と笑みを浮かべながら言われたものだが、その笑みの目元が全く笑っていなかったことは私の記憶に生涯残り続けるのだろう。
以下略



47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/10(水) 22:06:40.64 ID:H4EHr0uqo
「今日はお酒は飲まないんですか?」

 素直に茶を淹れた夕張はそのように問う。

 私は湯呑に手を触れ、その熱さにたまらず手を引っ込める。
以下略



48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/10(水) 22:53:19.75 ID:H4EHr0uqo
「羽黒ちゃんから聞いてたよりも面倒だわ」

「君が酒を勧めたんだ。後始末は君がしろ」

 すっかり脳天まで酒に浸った私は上機嫌にレコードを用意する。
以下略



49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/10(水) 22:54:01.18 ID:H4EHr0uqo
きょうはこれまで


50:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/12(金) 21:21:21.97 ID:Y5bjN/wIo
 次の日、私は自己嫌悪にさいなまれながら喉飴をかみつぶす。

 事もあろうに夕張に醜態をさらしたことと、酒の飲みすぎによる二日酔いの気だるさが私を襲っていたからだ。

 司令室には私一人。
以下略



51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/12(金) 21:27:55.87 ID:Y5bjN/wIo
 そして私は思い出したようにレコードをかける。

 「抜刀隊」。

 確かに陸軍と海軍は仲が悪いが、音楽の前には些細なことであろう。
以下略



52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/12(金) 21:53:18.07 ID:Y5bjN/wIo
 どれくらいそうしていたのか、私は意識して瞬きを落とす。

 部屋にはいつの間にか妙高が待機していた。

「……気づかなかったな、すまない。楽にしていてくれ。何の用事だ?」
以下略



53:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/09/15(月) 16:47:06.28 ID:7meQ0G4To
「あぁ、そうだったな。ただ、嫌っているわけではないということは理解してほしい」

「あら、そうなんですか?」

「端的に言えば、尊敬しているといってもいいだろうね」
以下略



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