2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/09/08(月) 22:32:05.39 ID:GdDZKUkC0
見覚えがある
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2014/09/08(月) 22:32:42.82 ID:rwKse1D30
「あずさ。20歳だ、20歳だぞ?」
ソファに深く座り直して、あずさの顔を真っ直ぐに見据える。
少し気まずそうに目線を逸らした娘に、私は続けて言う。
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/08(月) 22:34:25.61 ID:rwKse1D30
「あずさ、まだ遅くない。考え直せ」
「……いいえ、もう、決めた事です」
「あずさ!」
「私、アイドルになって運命の人を見つけるんです!」
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2014/09/08(月) 22:36:59.60 ID:rwKse1D30
「母さん、今日は、あずさから電話は」
「ないですよ」
「じゃあ、ほら、メールは」
「あなた、そんなに毎日送ってきませんよ。あずさだって忙しいでしょうから」
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/08(月) 22:39:12.03 ID:rwKse1D30
「何か言いました?」
「いや、別に」
にっこり笑った妻の目線を受け流しつつ、私は食卓の上の新聞紙に目を移した。
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/08(月) 22:42:13.76 ID:rwKse1D30
出されたお茶を勢いよく飲んで、冷ましもしなかった事を後悔しながら新聞に目を落とす。
芸能欄を見ていると、そこだけ赤マーカーで囲まれている部分がある。妻の仕業だ。
「……765プロ。三浦あずさと星井美希」
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/08(月) 22:45:41.96 ID:rwKse1D30
それから、また暫く経った頃だった。昼食を食べに出かけた定食屋のテレビに、私は思わず手にしていたご飯茶碗を取り落していた。
『知らぬが仏放っとけない♪』
『唇ポーカーフェーイス♪』
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/08(月) 22:46:37.15 ID:rwKse1D30
、なぜ私は、こんなにも動揺しているのか。なぜ、後ろめたい気持ちを抱かなければいけないのか。
そんな、複雑な気持ちを抱きながらも、あずさ……いや、765プロの活動は更に大きなものになっていく。
竜宮小町の一員として、あずさも色々なメディアへと露出が増えていた。
他のアイドルよりも歳が上だからか、雑誌の巻頭グラビアをあずさが飾る事もあって、親としては複雑な心境だった。
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/08(月) 22:48:07.32 ID:rwKse1D30
「福井?何でまたそんなところに……へぇ、合宿。大変ねぇ……」
家に帰るなり、長電話を終えたばかりといった感じの妻と目が合った。
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/08(月) 22:49:20.53 ID:rwKse1D30
「じゃあ決まりね、宿の手配とかもしておかないとね」
「おい、まだ」
「行くわよね?」
妻がこう言い出したら、私の負けだった。
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/08(月) 22:50:57.63 ID:rwKse1D30
ライブまでの日々はあっという間に過ぎて、季節は秋に移り変わる。
庭の木の葉が色付いて、少しずつ落ち始めたころに、私は765プロダクションのライブ会場に居た。
「……凄い人だな」
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