3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/09/12(金) 09:25:26.60 ID:YEnzxIxj0
 男は持っていたバッグをあさり、通帳を取り出した。 
 『そこにゃ俺の資産が載ってる。一部だけどな……職業は勘弁してくれ。表に出せるようなもんじゃないんだ』 
 スーツの男は渡されたそれを空いてる方の手で受け取り、ざっと目を通してまあいいだろうと胸ポケットから手を出した。 
 『随分と持ってるじゃないか。日本人のサラリーマンはこんなに儲かるもんなのかい?』 
 『サラリーマンなんかじゃ一生手は届かないだろうよ』 
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/09/12(金) 09:26:11.32 ID:YEnzxIxj0
 さて、と男は開かれた鉄箱の隅でうずくまる少女に英語で話しかける。 
 『何言ってるかわかるか?』 
 少女は色の違う両眼に涙を浮かばせ、首を横に振る。 
 (おっと……中国人?朝鮮?東アジアあたりの人間だったか……) 
 そう思い、今度は中国語で語りかけてみた。 
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/09/12(金) 09:26:57.89 ID:YEnzxIxj0
 「……旅行中に、紛争に巻き込まれたので」 
 「聞いたよ。どんぐらいあこそでうりに出されてたんだ?」 
 「三年半です」 
 「一桁の時からか、そりゃご苦労なこって。よく今まで売れなかったな」 
 「…………一年ぐらい前から、急に男の人があの部屋に来る頻度が上がりました」 
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/09/12(金) 09:28:06.34 ID:YEnzxIxj0
 信じられないことをさも当然のように語る男に少女―――瑠璃は嫌悪感をむき出しにし、ずり、とドア側に身を引く。 
 「俺が次に書いた小説は女を引っ掛けてクスリにはまらせて金を搾り取るクズの物語だった。まあ最後はご都合的に幕を引かせてもらったがな。これの理由もさっきと同じ、女をクスリにはまらせて金を搾り取るのが俺の大学生の時の趣味だった」 
 そして三作目は、と男が続けようとしたところで、瑠璃は小さく言った。 
 「もうやめてください。聞きたくないです」 
 それを聞いた男は弁舌をぴたりと止め、そうか。と言った。 
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/09/12(金) 09:28:37.48 ID:YEnzxIxj0
 ちょいと休憩 
 だれか見てますか? 
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2014/09/12(金) 09:29:24.61 ID:2/1cRv2k0
 失礼ですが行間あけません?わたくしめには読みづらいのです。 
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/09/12(金) 09:44:10.15 ID:ajW6Gpq+0
 読んでるよー 
 エンディングどう持ってくか期待 
  
 あと読みづらいのは同意、台詞と地の文に行間欲しいかも 
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/09/12(金) 09:58:42.06 ID:1DyCDiwVO
 行間詰めるのも一種の雰囲気じゃないかな、って言うのは野暮なのかどうか 
  
 とりあえず期待 
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