過去ログ - 和「フランスより」咲「愛をこめて」
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15: ◆CU9nDGdStM[saga]
2014/09/16(火) 00:38:04.70 ID:IfVJEPyJ0
30分ほどで目的駅に着いたが、咲には一時間くらいに感じられた。

電車から降りた瞬間、背中にかいた汗がすっと冷えるのを感じて驚く。

どうやら自分でも気づかないほどに緊張していたらしい。
以下略



16: ◆CU9nDGdStM[saga]
2014/09/16(火) 00:42:39.94 ID:IfVJEPyJ0

咲「……」

目をこすっても、頬を叩いても、目の前の光景が変わることはない。

以下略



17: ◆CU9nDGdStM[saga]
2014/09/16(火) 00:44:58.31 ID:IfVJEPyJ0
咲「先日予約したサキ・ミヤナガです。シングルルームをお願いしていると思うのですが……」

咲の言葉に女性は何も返さなかった。黙ったままパソコンを弄りはじめる。

しばらくして咲の予約を見つけたらしい。 
以下略



18: ◆CU9nDGdStM[saga]
2014/09/16(火) 00:47:29.54 ID:IfVJEPyJ0
咲「う……っ」

やっとたどり着いた515室、ドアを開けた途端襲ってきたのは何とも言えない臭気だった。

カビ臭いのとホコリ臭いのが、入り混じったような感じだ。
以下略



19: ◆CU9nDGdStM[saga]
2014/09/16(火) 00:50:06.81 ID:IfVJEPyJ0
仕事柄色んなところに安い経費で飛ばされてきた。

国内であれば、場末のホテルになど何度もお世話になっている。

それでもここまでひどいのは見たことがなかった。
以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/09/16(火) 00:50:49.40 ID:xOBWdz/uO
咲さんたくましいなw


21: ◆CU9nDGdStM[saga]
2014/09/16(火) 00:53:25.68 ID:IfVJEPyJ0
咲「なんとか、たどり着けたよ……」


長い階段を登りきり、咲は深く息を吐いた。

以下略



22: ◆CU9nDGdStM[saga]
2014/09/16(火) 00:56:29.83 ID:IfVJEPyJ0
お目当てのカフェは、駅から少し離れた路地の奥にあるとのことだった。

咲の好きな作家のお気に入りで、彼のエッセイによく出てくる店である。

地元の人にも人気らしくテレビ番組にもしばしば映っていた。
以下略



23: ◆CU9nDGdStM[saga]
2014/09/16(火) 00:58:53.68 ID:IfVJEPyJ0
困ったことに外に店員の姿は見当たらなかった。

テラスの客は少し咲に目をやったあとは、それぞれのおしゃべりや読書に戻ってしまっている。

やむを得ずに咲は覚悟を決めて店の中へと首を突っ込んだ。
以下略



24: ◆CU9nDGdStM[saga]
2014/09/16(火) 01:01:18.93 ID:IfVJEPyJ0
店員「観光のお客さん?」

咲「あ、はい。今朝日本から着いたばかりで……」

店員「悪いけど、今日は満席なんだ」
以下略



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