過去ログ - 穂乃果「私はあなたのものだから」
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198: ◆KZH78Pv7kI[sage saga]
2015/04/02(木) 15:21:09.99 ID:zc+b77nY0
「で、どうなの穂乃果。あなたはやりたくない?」
皆の期待が視線になって穂乃果の一身に集まる。花陽は不安げに、でもみんな答えを期待して待ってる。
「……すっごいいいよ!さっすが花陽ちゃん!じゃあ早速どうするかって決めないとね!」
199: ◆KZH78Pv7kI[sage saga]
2015/04/02(木) 15:31:32.34 ID:zc+b77nY0
「部長が提案したことだから、大まかなアウトラインは部長に作ってもらいたいわ。最終的に作るのは担当がすることだけど。いいわよね?」
「え?え?」
「いいと思います。花陽の優しいイメージが表れてくれるといいです」
200: ◆KZH78Pv7kI[sage saga]
2015/04/02(木) 15:32:46.01 ID:zc+b77nY0
部の打ち合わせが終わった後、2人一組でわたしたちは学校を離れた。
私はいつも通り穂乃果の家にいて、五線譜に記譜をしていく。その横で頬杖をつきながら朗らかな顔で私を見つめている。
次の段に行くたびにその優しい笑顔がちらちら視界に入ってきて、何だかこそばゆくて。
201: ◆KZH78Pv7kI[sage saga]
2015/04/02(木) 15:33:49.90 ID:zc+b77nY0
「それを見てるっていうんだよ。そうじゃないとフォローなんてできないでしょ?」
認識の違いなんだろうけど、でも穂乃果のいう事は正しい。けど、穂乃果が真剣なことを言うと、なんだか変な感じがする。
だから、私はそこに引っ掛かりを感じて、その先に何かがあるんだろうって思った。
202: ◆KZH78Pv7kI[sage saga]
2015/04/02(木) 15:34:17.64 ID:zc+b77nY0
……なるほど、穂乃果はやきもちをやいているのね。私があまりに花陽たちに構っているのだから、それで寂しくて仕方ないのね。
「……一応言っておくけど、穂乃果のことは大事よ。けど、花陽や凛を無視できるわけじゃないの。……特に花陽は今、自分からなにかを切り開こうとしている。私はね、花陽の勇気に、自信を持ってほしいの」
だって、私に勇気を分けてくれた花陽だもの。一歩踏み出してほしかったんだから。
203: ◆KZH78Pv7kI[sage saga]
2015/04/02(木) 15:50:35.79 ID:zc+b77nY0
「やだって、……もうわがまま」
「穂乃果の気持ちが済むまで、絶対離れないもん」
穂乃果がこうなったら梃子でも動かないから困ったものね……。こうなると、慰めてあげることの方が先かしら。
204:名無しNIPPER[sage]
2015/04/02(木) 16:30:37.20 ID:8j8VGqyPO
シリアスになっちゃうのん?
>>197
後ここ2年生じゃなくて3年生かな?
まあ細かいことだけど
205: ◆KZH78Pv7kI[sage saga]
2015/04/03(金) 13:03:53.92 ID:pIyDd0Ai0
真姫ちゃんを送り出して、居間の前に行くと、お母さんが随分不安そうな顔をして、こっちを見てた。
「どうしたの?……そんな顔してたら私まで不安になるよ」
本当は男の人って雪穂から言われて少し怖いっていう気持ちがある。
206: ◆KZH78Pv7kI[sage saga]
2015/04/03(金) 13:04:52.03 ID:pIyDd0Ai0
それにしても、誰なんだろう。私、男の人とかかわることって言ったら学校の先生ぐらいだし。うーん。もしかして本当に私のファン、とか?どうしよう、サインとか用意してないし……。ていうか押しかけてくるって相当なファンの人だね、あはは。
なんてね。そういう人とはお付き合いしちゃいけないのがアイドルだってにこちゃんから教えられてるし、もしそういうお話だったらきっぱり断ろうと思います。それに、私には真姫ちゃんがいるし、ね。エヘヘ。
ふすまを開けると、そこにはお母さんの言う通り本当にいいところの男の人、でも援助交際っていう悪いことをしそうになさそうな、誠実そうな人が正座していました。
207: ◆KZH78Pv7kI[sage saga]
2015/04/03(金) 13:13:53.17 ID:pIyDd0Ai0
「……君には、本当に感謝している。もしかしたら寂しい人生を送らせていたかもしれないあの子が、今では口を開くたびに、君の名前を呼んでいるし、それに明るくもなった。それは、本当に君たちと出会ったからだと思う」
とても、とても優しい口調。この人が西木野総合病院の院長で、それに真姫ちゃんのお父さん。
「君は、あの子の夢を知っているかい?」
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