883: ◆EhtsT9zeko[saga]
2015/11/23(月) 22:38:16.97 ID:g/PD0yL+o
竜族将さんは、あの戦いのあとしばらくの間は西大陸全土からの物資輸送を行ってくれていた。
半年ほどしてこの辺りの情勢が落ち着いた頃には、この中央都市へ大勢の兵隊さん達を引き連れて戻って来てくれた。
884: ◆EhtsT9zeko[saga]
2015/11/23(月) 22:39:16.70 ID:g/PD0yL+o
「でも…お姉ちゃん…」
「大丈夫だって。休んでもらったあとはバリバリ手伝ってもらうからな。今のうちに今日のうちに疲れを取っておいてくれないと困る」
885: ◆EhtsT9zeko[saga]
2015/11/23(月) 22:39:59.72 ID:g/PD0yL+o
「またなんかあったみたいだな、あれ…」
「うん…お、お手伝いしようよ。ね?」
886: ◆EhtsT9zeko[saga]
2015/11/23(月) 22:40:52.41 ID:g/PD0yL+o
兵長さんは顔をあげて頷き、大尉さんも両頬をパシンと叩いて気持ちを切り替える。
「あいつ、今度は鉄の足枷付けてやる…!」
887: ◆EhtsT9zeko[saga]
2015/11/23(月) 22:41:48.05 ID:g/PD0yL+o
身を隠したい人があんな大勢が見ている場所へ落ち立つなんてするだろうか…?
それよりも、むしろ勇者様なら…私は、窓辺から身を乗り出したままに、空を見上げた。
888: ◆EhtsT9zeko[saga]
2015/11/23(月) 22:42:31.47 ID:g/PD0yL+o
勇者様のそんな話を聞いて私は思った。
そう…それは、まるで…
889: ◆EhtsT9zeko[saga]
2015/11/23(月) 22:43:02.83 ID:g/PD0yL+o
「だから、背負い込み過ぎだってば」
「…そう、なのかな…」
890: ◆EhtsT9zeko[saga]
2015/11/23(月) 22:43:39.55 ID:g/PD0yL+o
そうだよね、勇者様はお姉さんと良く似てる。世界を分けて民を傷付けたことも、
私達を騙して一人で全部を背負い込もうとしたのも、悪いって、そう思う人なんだよね。
891: ◆EhtsT9zeko[saga]
2015/11/23(月) 22:44:07.50 ID:g/PD0yL+o
「でも、ちょっと不安だよ。ここにいたってあたしにやれることなんてない…ここの時代のことは、あれからいろいろ学んだけど、それだけだ。
住んでる人間達の細かな関係とか、立場とか、そう言うのは分からない。
892: ◆EhtsT9zeko[saga]
2015/11/23(月) 22:45:11.48 ID:g/PD0yL+o
あの部屋には地面に降りるための縄があった。
でも、その結び目は完全に締まってはいなかった。
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