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2014/10/14(火) 00:33:54.30 ID:Sc7juh7n0
「ただいまー」
ちょうど、お姉ちゃんが帰ってきたみたいです。今日は、お姉ちゃんとデートです。あかりの見たかった映画のチケットをお姉ちゃんが用意してくれて、お夕飯も話題のお店に連れて行ってくれるみたい。
お姉ちゃん、本当に優しくてあかり大好き。昔からあかりとお姉ちゃんは仲が良かったけれど、中学生になってからそういう機会も減っちゃったんだよね。だから久しぶりに二人きりのデート、楽しみだなあ。
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2014/10/14(火) 00:35:49.26 ID:Sc7juh7n0
翌日学校で、ちなつちゃんがこう切り出しました。
「あのね、あかりちゃん。私、謝らないといけないことがあるの」
その時のちなつちゃんの顔は、泣き出しそうなほどに追い詰められているように見えました。
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2014/10/14(火) 00:36:39.70 ID:Sc7juh7n0
あかりは、ごらく部が大好き。ごらく部の皆が、大好き。
だから、ちなつちゃんと結衣ちゃんのことを応援してきたし、ちなつちゃんと京子ちゃんが結ばれることも祝福したい、失恋してしまった結衣ちゃんのことも元気づけてあげたい。
そのために、あかりには何が出来るんだろう。あと一年しか、結衣ちゃんと京子ちゃんの二人と一緒の学校に居られない。あと一年、あかりたちはどんなごらく部で居られるだろう。
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2014/10/14(火) 00:40:46.46 ID:Sc7juh7n0
正直に言って、吉川さんと歳納先輩が付き合うことになった、というのは甚だ意外でなりませんでした。
「わたくしはてっきり船見先輩のことが好きなのかと……」
誰に聞かせるでもなく、ただ、思ったことが口に出てしまいました。
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2014/10/14(火) 00:42:28.53 ID:Sc7juh7n0
「櫻子の癖に、そういうところはよく見てますのね」
自分が気付いていなかったのに、お馬鹿な幼馴染が気付いていたのが悔しくて、そんなことを言ってしまいました。
だってそうでしょう。
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2014/10/14(火) 00:45:01.89 ID:Sc7juh7n0
「わかるよ」
目の前の幼馴染は、にかっといつもの眩しい笑みを浮かべました。
「だってさ、ちなつちゃんいつも歳納先輩の悪口ばっかり言ってたでしょ」
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2014/10/14(火) 00:47:00.24 ID:Sc7juh7n0
最近、アイツの元気がない。
病気だとか、調子が悪いとか、そういうことではないと思う。
けれど、会話している時、一緒に歩いている時、生徒会の仕事をしている時。ふっと見せる表情が、変だった。
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2014/10/14(火) 00:49:34.36 ID:Sc7juh7n0
「櫻子の癖に、そういうところはよく見てますのね」
ちなつちゃんと歳納先輩が付き合うことになったのが、意外だったらしい。
けれど私は、いつかそうなるんじゃないかと思っていた。
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2014/10/14(火) 00:52:22.44 ID:Sc7juh7n0
「凄いところを見てしまったな」
目の前の、小柄な少女に語りかける。
「…………」
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2014/10/14(火) 00:54:06.54 ID:Sc7juh7n0
――古谷と大室が、キスをしていた。
小鳥のような可愛い接吻ではない。お互いを貪り求め合うような、深い深い口吻だった。
「…………」
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