過去ログ - 勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」
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160:名無しNIPPER[saga]
2015/02/01(日) 20:12:46.10 ID:pWickg4a0
 武道家に対し、戦士は自分の見た一部始終を説明する。
 武道家は難しい顔をして考え込んでいたが、やがて口を開いた。

武道家「信じがたい話だ……俺には奴が俺達を捨てたのだとは思えん。そこには何か考えがあったはずだ。奴なりの考えが」

以下略



161:名無しNIPPER[saga]
2015/02/01(日) 20:13:49.00 ID:pWickg4a0
 町へと戻るため、森の中を駆ける三人。
 先頭を行く戦士に対し、武道家が声を張り上げた。

武道家「待て戦士! ペースが速い! 僧侶がついてこれていないぞ!!」

以下略



162:名無しNIPPER[saga]
2015/02/01(日) 20:14:45.23 ID:pWickg4a0
 翌日―――『第六の町』の宿屋、ロビーにて

武道家「結論から言うと、勇者はこの町に戻ってきてはいなかった」

僧侶「それは一体どういうことですか?」
以下略



163:名無しNIPPER[saga]
2015/02/01(日) 20:15:29.53 ID:pWickg4a0
 戦士と僧侶は次の町へ向かうため、第六の町を後にする。
 そこには戦士と僧侶だけでなく、武道家の姿もあった。

戦士「いいのか? 私たちについてきて」

以下略



164:名無しNIPPER[saga]
2015/02/01(日) 20:16:27.16 ID:pWickg4a0
 十分後、三人の周りには四体の狼型魔物が倒れ伏していた。

戦士「つあッ!!」

 裂帛の気合いと共に戦士が最後の一体を打ち倒し、魔物の群れは全滅した。
以下略



165:名無しNIPPER[saga]
2015/02/01(日) 20:17:34.94 ID:pWickg4a0
 町に戻ったところで別の問題が発覚した。
 お金である。
 お金は四人で等分して持つようにしていたので、勇者が欠けても当分の間は困らないくらいの手持ちはあった。
 だが、ここで薬草を買い込もうと思えば話は別である。
 お金が足りない。
以下略



166:名無しNIPPER[saga]
2015/02/01(日) 20:18:20.48 ID:pWickg4a0
武道家「戦士、僧侶」

戦士「……なんだ?」

僧侶「なんでしょう?」
以下略



167:名無しNIPPER[saga]
2015/02/01(日) 20:19:32.18 ID:pWickg4a0
 幾日かの時が経ち、戦士、僧侶、武道家の三人は『第二の町』まで戻って来ていた。
 三人は現在宿を取り、その食堂で夕食の真っ最中である。

武道家「明日はいよいよ、俺達の故郷に戻ることになる」

以下略



168:名無しNIPPER[saga]
2015/02/01(日) 20:20:40.36 ID:pWickg4a0
武道家「あの時は月明かりがあったおかげで何とか無事町まで戻ることが出来た……」

戦士「………」

武道家「こんなこともあったな……」
以下略



169:名無しNIPPER[saga]
2015/02/01(日) 20:21:54.10 ID:pWickg4a0
武道家「知ってのとおり、あいつは『伝説の勇者』の息子として生まれた」

武道家「勿論、当時はまだ世界的に有名な父親では無かったが、それでも国一番の剣士の息子として、あいつの身には大きな期待がかかっていた」

武道家「あいつもまた、その期待に応えようと一生懸命だったらしい。言われるがままに学を修め、剣を修業した。まだ三〜四歳の子供の頃の話さ。信じられるか?」
以下略



170:名無しNIPPER[saga]
2015/02/01(日) 20:23:33.80 ID:pWickg4a0
武道家「父親の一件がトラウマになって、『痛み』に対して過度の恐怖心を感じるようになっていたらしい」

武道家「痛みを伴うような遊びには頑なに参加してこなかった。その癖、物語の冒険譚とかは大好きでな。その手の書物を読み漁っては俺にその話をしてきた」

武道家「口はうまい奴だったから、退屈はしなかったよ。奴のサバイバルの知識なんかは、そのあたりから来ているんだろう」
以下略



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