2: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/11/22(土) 21:55:48.16 ID:ruDIfM3ro
●Mystic
秘密の
神秘的な
秘教の ←※これで書く
秘伝の
3: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/11/22(土) 21:56:54.95 ID:ruDIfM3ro
何処かの山奥に存在するという、人口百人にも満たない小さな村。
その村はある秘教に支配されていた。
「純血から生まれる子を重んじる」という開祖の教えに従い、
4: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/11/22(土) 21:58:03.98 ID:ruDIfM3ro
従って、女性はその歳まで貞操を守り抜く義務がある。
尤も村の男達もその教えは知っているのだから、手を出そうという者は現れない。
破れば両者共に死刑だ。
5: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/11/22(土) 21:59:12.66 ID:ruDIfM3ro
村の外れの小さな家で、少女の出生祝いは慎ましく執り行われた。
夕食を簡素な精進料理で済ませた後、少女は浴槽で水を被って身を清めた。
水と言ってもただの水ではなく、予め教会から渡された聖水を多分に含んだ水である。
6: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/11/22(土) 22:00:25.72 ID:ruDIfM3ro
浴槽を後にすると、脱衣所ではバスタオルを持った母が待っていた。
少女が母の傍らに目をやると、壁には黒いローブの掛かったハンガーが下げられている。
今宵、少女が身に纏うものは、このローブ一枚である。
7: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/11/22(土) 22:01:18.72 ID:ruDIfM3ro
髪は母に任せ、少女も自分の体に付いた水滴を拭き取り始めた。
白くきめ細かい肌は十分に水を弾き、少女がさっと撫でるだけで水滴は瞬く間に姿を消してゆく。
肩、肘、手首。
8: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/11/22(土) 22:02:25.65 ID:ruDIfM3ro
「ごめんなさい」
少女は母に謝ると、恐る恐る自分のお尻に手を回した。
だが別段変わった様子はなく、自分の指の確かな感触がある。
9: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/11/22(土) 22:03:43.18 ID:ruDIfM3ro
「では、行って参ります」
「しっかりとお勤めを果たすんだよ」
少女は母と玄関先でひしと抱き合った。
10: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/11/22(土) 22:04:45.65 ID:ruDIfM3ro
コツ、コツ。コツ、コツ。
今宵は足音がやけに響く。それもそのはず。今の時間、外を出歩いているのは少女一人だけであった。
儀式の夜は、それに臨む者を除いて外出を禁じられているのである。
11: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/11/22(土) 22:06:06.98 ID:ruDIfM3ro
不意に獣の遠吠えが聞こえた。
ローブの布目から風が通り、少し肌寒い。
12: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/11/22(土) 22:07:06.15 ID:ruDIfM3ro
少女は一歩、また一歩と進むたびに募る不安を、日々の教えを思い出す事で払拭しようとした。
教主様にこの身を捧げる事は素晴らしい事である。
この身に神の子を宿せる事は、この村の女性として誉れである。
22Res/10.02 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。