過去ログ - ハルヒ「BLって素晴らしいわね」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/24(月) 02:55:44.60 ID:tgtZELLQO
「友達……ですか」


 古泉が心底意外だと言わんばかりの表情をした。
 それが当たり障りもなく流れていた俺と古泉の会話を断ち切った。そういうリアクションを返すところではないと少なくとも俺は思っていたので、何故古泉がそんな顔をするのか俺にはそっちが意外だった。

 「なんだよ…それがどうかしたか?」

 眉をしかめつつ返すと、古泉は何度か瞬きをした後ふわりといつもの笑顔を顔に戻す。

 「いえ、すみません。あなたは僕のことを友人だと思っていたのですね…
 はあ、成る程」

 何がなるほど、なのか。
 まるで難解な数学理論かなにかを理解できたみたいな口調だ。
 古泉のよくわからない反応に、さっきまで交わしていた会話を覚えている限り頭の中で巻き戻してみる。話していた内容はこうだ。
 昨日の晩、今週の日曜妹の友達の母親と外出するので留守番していてほしいとお袋に頼まれた。しかしその日は先々週から古泉と映画に行く約束をしていたので(このへんの経緯は長くなるので割愛する)「友達と約束があるから」と断った。お袋はその"友達"を国木田と勘違いしていたので、古泉だと訂正をした…そこまでだ。
 はっきり言って意味もなければ中身もない他愛もない日常会話であって、びっくりするようなオチもなければ成る程、と相槌を打つような推理小説のトリックをネタバレしていたわけでもない。

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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/24(月) 02:57:12.15 ID:tgtZELLQO
 「意味が分からんぞ、お前」

 腕組みをしてパイプ椅子の背もたれに寄りかかる。
 古泉がまたすみません、と言った。ちっともすまさそうに見えない。
 俺が唇の端を引き下げるのに比例するように古泉の口角が上がる。何がそんなに面白いのか是非俺にもわかるように説明してほしいもんだ。どうせろくなことじゃないんだろうがな。
以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/24(月) 02:57:48.86 ID:tgtZELLQO
「友達……ですか」


 古泉が心底意外だと言わんばかりの表情をした。
 それが当たり障りもなく流れていた俺と古泉の会話を断ち切った。そういうリアクションを返すところではないと少なくとも俺は思っていたので、何故古泉がそんな顔をするのか俺にはそっちが意外だった。
以下略



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/24(月) 02:59:28.06 ID:tgtZELLQO
聞き違いではない。
 ほんとに唐突に始まった古泉の自白に、頭はフリーズするばかりだ。
 ようするに命令があるから俺とは友達ごっこをしているだけですよと言いたいのか?
 仮にそうだとして何でそんなことわざわざ俺にバラすんだ?今このタイミングで?
 当の古泉はといえば、耳に入った内容をただの音として処理することにも慣れた長ったらしいたとえ話をする時と変わらない説明口調で淡々と話している。いつもの爽やかな笑顔は崩さないままだ。
以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/24(月) 03:00:03.06 ID:tgtZELLQO
 「そりゃ勝手にトモダチ扱いして悪かったな。お前もご苦労なこった。
 お達しとはいえ何とも思ってない奴の友達の振りなんざ」

 皮肉ってやるつもりだったが思っていたより刺々しい声が出る。
 しかし古泉には何のダメージにもならないらしく相変わらずニコニコしながら、机に肘をついたまま手のひらを上に向けて人差し指で俺を指した。
以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/24(月) 03:00:56.65 ID:tgtZELLQO
がしゃんと派手な音を立てて、座っていたパイプ椅子が倒れた。
 俺が殆ど蹴倒すようにして立ち上がったからだ。
 そのまま反射的に跳びすさる。勢い余って二歩三歩とたたらを踏むように下がると、すぐに大して広くもない部室の黒板が背中に当たった。
 こいつ、今俺に何しやがった!

以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/24(月) 03:01:50.67 ID:tgtZELLQO
 ニコニコ無害そうな笑顔が机を迂回して近づいてくる。
 何故かは分からないが、これ以上奴を半径ニメートル圏内に入れてはいけないとどこかから警告が聞こえる。俺はエマージェンシーに従って全力で威嚇したが、古泉はどこ吹く風のようだ。あっという間に距離を詰めてくる。
 団長の三角錐のある机の方に足を踏み出してすぐ、しまった、ドアの方に逃げるべきだったと後悔したのは、古泉が悠然とした態度で扉の錠を下ろすのを見たからだ。何で鍵なんかかけるんだ。知りたいが知りたくない。というか何なんだこの状況は!
 つい10分前にはのん気にだらけつつオセロに興じていたというのに、この数分の間に俺は古泉に友情の存在を否定され、かつ不意打ちでキスされ揚げ句狭い部室の中で狩人から逃げ回るウサギの如く角に追い詰められている。誰が見てもちょっと、いやかなり泣きたい状態じゃないか?

以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/24(月) 03:02:26.98 ID:tgtZELLQO
いつもより更に近い古泉のハンサム顔を思いっきり睨みつける。
 背後はカーテンもかかっていない窓で、二階とはいえ外からは丸見えだ。くそ、離れろ。変な噂でも立ったらどう賠償してくれるんだ。

 「何か俺がお前の気に障ることでもしたって言うなら謝る。だから…いい加減に
 …ッ!!?」
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/24(月) 03:02:53.27 ID:tgtZELLQO
「こ…古泉、とりあえず落ち着けよ、な?」
 「僕はいつも冷静そのものですよ」

 言ってる目が怖い。どこが冷静だ。

以下略



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