過去ログ - ハルヒ「BLって素晴らしいわね」
1- 20
24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/24(月) 03:32:23.70 ID:QGKEYDT0O
『電話に出ていただけませんか』




以下略



25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/24(月) 03:33:24.93 ID:QGKEYDT0O
古泉が指定してきたのは部室でも教室でもなく、部室棟の屋上へと繋がる階段の踊り場だった。
 ただでさえ人の少ない棟の、立入禁止の屋上へ放課後用事のある人間なんてまずいない。 人に聞かれたくない内緒話をするには打ってつけという訳だ。
 古泉と二人きりになんぞ二度となりたくはなかったが、話すことになる内容が内容だから、人気のない指定場所は俺としても都合がいいと言える。
 俺は鉄製の靴でもはかされているかのように鈍重な足を叱咤しながら一歩ずつ階段を上った。回りに朝比奈さんや長門がいないか、ましてやハルヒと鉢合わせしないか細心の注意を払う。あいつは俺がとうに帰ったものと思っているだろうから、もし見つかりでもしたら取っ捕まって職質を受けること間違いない。まさか古泉から脅迫まがいなメールをいただいて今からユスられに行くところですなんて口が裂けても言える訳がない。
 指名手配犯にでもなったような気分で階段を上がる。
以下略



26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/24(月) 03:33:58.29 ID:QGKEYDT0O
「あなたの性格からいって、よもや誰かに話すようなことは皆無だとは思ってますがね。涼宮さんは僕達が善き友人であることを望んでいるようですし、SOS団内の空気が壊れることを望まないでしょう。あなたと僕の関係が変化したことで悪い方へ余計な揺さ振りをかけたくないんです」

 バイトの手間を惜しみたい訳か。
 なんつう手前勝手な言い分だろうか。自分で種を撒き散らしておいて。
 変態でサディストの上エゴイストだなんて救いようがないぞ。
以下略



27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/24(月) 03:34:26.85 ID:QGKEYDT0O
「ひ、…」

 ぞくりとして思わず喉が鳴った。
 そのまま耳のすぐ傍までくちびるをよせた古泉が、幼子に言い含めるような調子で甘い声を出す。気色悪い。そうされると妙に力が抜ける。

以下略



28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/24(月) 03:34:56.13 ID:QGKEYDT0O
 何か良くないものが憑依してるんじゃないか。
 と胡乱になってしまうほど散々な目に遭って来た俺の高校生活だが、よもや同級生から脅され性的関係を強要されるなどという三文ドラマかエロゲでしか有り得ないような展開がプラスされるとは想定外の外だ。

 まあ脅迫されていると言っても、俺は特に不眠に陥るほど悩み抜いたり、あげくそれこそドラマ宜しくいっそ古泉を[ピーーー]しかないなどと思い詰めるようなこともなかった。
 古泉の要求が俺の意向とも合致していたということもある。
以下略



29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/24(月) 03:35:35.49 ID:QGKEYDT0O
「あんた達、なんかここ数日おかしくない?」

 唐突に話題を振られ、俺の心臓は凍りついた。
 思わず指先に摘んでいた碁石を取り落とすと、団長席に踏ん反り返っているハルヒの顔と目の前の古泉とを交互に見る。

以下略



30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/24(月) 03:36:05.92 ID:QGKEYDT0O
「あら、古泉くん何か用事でもあったの?」
 「ええ、実は先月から公開されている映画を観たいと思っていまして。ちょうど彼と今週末あたりにどうだろうかと話をしていたところなんですよ」

 その台詞に、俺はぎょっとして古泉を見た。

以下略



31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/24(月) 03:36:49.89 ID:QGKEYDT0O
「俺は絶対行かんぞ。何考えてるんだ」


 夕焼けもたけなわの時間帯、下界へと続く坂道には前方を行く三人娘の他に制服姿は見当たらない。
 よく考えなくともあといくばくも無くテストが始まるこの時期、きっちり全員が集まって終了時刻まで粘る部活動なんざ俺達くらいなものだ。正式な部じゃないが。
以下略



32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/24(月) 03:37:33.89 ID:QGKEYDT0O
 翌日、約束を謹んで辞退しようと部室へ行ったら、古泉は休みだった。


 何か謀略的な匂いを感じるのは、俺の過剰気味な猜疑心のせいだろうか。
 九組の担任が捕まらずに理由がはっきりしなかったらしく、部室に戻ってきたハルヒはわざわざ電話をかけていた。欠席した団員を心配してのことだろうが、腹でも壊して寝んでる最中とかだったらどうする気なんだろうな、コイツは。
以下略



33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/24(月) 03:38:29.52 ID:QGKEYDT0O
改札を出て雨のそぼ降る駅前のロータリーを見回すと、バス降車場所があるアーケードの軒下で雑踏を避けるようにして、いなくてもいいのに奴は待っていた。
 まだ11時10分前だ。
 2分でも遅れたらなんだかんだと理由をつけて帰ってやる、と思っていただけに残念というか、腹立たしいというか、肩透かしを喰らった気分で俺は心中舌打ちをした。
 ハルヒの手前時間厳守なのではなく、元から几帳面な性格ってことか。
 重い足取りで歩み寄ると、十メートルほどの地点で古泉がこちらに気付いた。
以下略



34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/24(月) 03:39:21.29 ID:QGKEYDT0O
土曜日の昼、結構な盛況ぶりのホールは人が溢れていて、上映十五分前に着いた頃には席は殆ど埋まっていた。
 自由席だから仕方がない。左寄りの一番後列が、ちょうど二つ席が並んで空いていて、俺達はそこに陣取ることにした。
 廻りはカップルが目立っていてなんだか訳もなく腹が立ってきたが、純朴な男子高校生が友人同士で連れだって観ても何等不思議はあるまい、と溜飲を下げる。


以下略



88Res/138.11 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice