90:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:05:40.59 ID:sdjP5j9j0
さみしいなんて呟いて、
あなたに重荷を背負わせたくないわ。
…ちがう。ただ重い女だ、って思われたくないだけのいい子ぶりっ子してるだけ。
91:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:06:37.22 ID:sdjP5j9j0
ロミオはジュリエットの元へ、駆けてゆく。
ああ、ロミオ。
あなたはどうしてロミオなの?
92:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:07:33.64 ID:sdjP5j9j0
目を瞑って、ものがたりを思い描く。
そう、わたしは脚本家。
台本を書かなくちゃ。
93:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:08:26.33 ID:sdjP5j9j0
第5話「銀世界旅行」
開いた瞼を、思わずすぐに閉じる。
あまりにも夕日が眩しかったから。
94:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:09:15.14 ID:sdjP5j9j0
列車がトンネルに入った。
澪ちゃんがなにか言いかけたように思ったけれど、
列車の走行音がトンネル内に反響し合ってコォォとうるさく鳴り響くせいで、
95:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:12:12.82 ID:sdjP5j9j0
「よ、」
改札の前で待っていた澪ちゃんは、それまでと何の変わりもなく顔をほころばせながら、左手を上げた。
96:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:14:47.45 ID:sdjP5j9j0
電車の到着を知らせるアナウンスは、不必要に大きく、怒鳴り散らすように響く。
ゆっくりとしたスピードでホームに進入してくる電車。
電車を待つひとの群れも妙にべっとりとスローモーな動き。
まるで周囲の空気が粘り気を帯びているかのようで、
97:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:15:54.72 ID:sdjP5j9j0
それから、
いくつも、いくつものトンネルを抜けて、
列車は走って行った。
98:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:16:26.10 ID:sdjP5j9j0
気がつけば月が輝きを増している。
窓ガラスがぼんやりとわたしたちの姿を映している。
暗闇の向こう側の澪ちゃんと目が合った。
99:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:17:07.96 ID:sdjP5j9j0
『わたしもだよ。同じ気持ちだ』
132Res/82.03 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。