過去ログ - 少年「『大丈夫だ、もう心配ないぞ。お前は生きていい』だっけ」
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6:名無しNIPPER
2015/01/27(火) 00:06:04.61 ID:XsMo6ytGO
 無邪気な恐怖ほど、これほどまでに残酷なものに繋がるのかと。
 僕はいかにも無邪気とは程遠い関心で、ゆっくり周りを見渡していった。


教師「静かに」
以下略



7:名無しNIPPER
2015/01/27(火) 00:07:22.43 ID:XsMo6ytGO
 それは明朝、いつもより早めに登校した僕の存在だけが見れたモノであって。


少年「…※※※※さん」

以下略



8:名無しNIPPER
2015/01/27(火) 00:09:21.04 ID:XsMo6ytGO
 僕は足音を立てずに、遺体へと近づく。

 しかしながらそれは遺体と呼んでもいいのだろうか。肉の塊のような外見となってしまった彼女は既に。
 命はなく形だけとなって、そもそもその形すら儘ならないものとなってしまっているのに。

以下略



9:名無しNIPPER
2015/01/27(火) 00:10:46.51 ID:XsMo6ytGO
 可愛いと言った彼女の言葉を体現するかのように、僕は彼女の頭を撫で続けた。

 気が済むまで撫で続けると、僕は指に絡まる髪を解きつつ、頭から手を離した。
 むせ返るような湿気を帯びた指先をポケットに入れ、指先をこすり合わせる。

以下略



10:名無しNIPPER
2015/01/27(火) 00:11:47.95 ID:XsMo6ytGO
少年「だから僕に近づいてきた」


 死というものを身を持って行う存在。だがそれは強く惹きつけあう。

以下略



11:名無しNIPPER
2015/01/27(火) 00:12:49.45 ID:XsMo6ytGO
少年「……?」

 近くの草むらが音を立て始めた。
 僕は静かにポケットに入れていたナイフを握り締める、どう対処できるかは分からないが。

以下略



12:名無しNIPPER
2015/01/27(火) 00:13:38.75 ID:XsMo6ytGO
少年「美味しいか」


 つたわらないとわかっていても、僕はそう聞きたかった。
 お前の命をつなぎとめた存在の肉というものはどういった味なのだろうかと。
以下略



13:名無しNIPPER
2015/01/27(火) 00:15:14.62 ID:XsMo6ytGO
 子犬は時間がかかりつつも、満足に至るまでに食したのか。
 地に伏せるようにして転がってしまった。

 瞼は閉じられ、か弱い息遣いだったものは安らかに吐息へと変わり。

以下略



14:名無しNIPPER[sage]
2015/01/27(火) 00:15:50.29 ID:XsMo6ytGO
 あの時の対馬ハインのように、まるで自分に言い聞かせるかのようにしながら。

 この子犬の中で息づく糧となった彼女を、僕は意味もなく慰めた。


15:名無しNIPPER[sage]
2015/01/27(火) 00:17:08.61 ID:XsMo6ytGO
終わり

過去に投稿したものをリメイクしたものです。

ではではノシ


16:名無しNIPPER[sage]
2015/01/27(火) 00:46:04.66 ID:HcHk09SAO



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