過去ログ - まこ「それ、もらってもええかのう?」久「自分のがあるでしょ」
1- 20
1: ◆FYW.3i5lks[saga]
2015/03/18(水) 19:18:39.94 ID:Az7vDE1k0

もうすぐ四月になるというのに、まだまだ肌寒い日が続く……幸い、空は晴れ渡っており日の光がさしているのでじきに暖かくなるだろう

二年間使い続けた学生議会室の長机に腰かけ、その表面をなんとなく指先でなぞる

今日でお別れなんだと思うとさすがに感慨深い……去年なんかは、ここで過ごした時間が一番長かったんじゃないかしらね

私、竹井久はつい先ほど卒業式を終えて清澄高校を無事に卒業した

学生議会長として二年間も過ごしただけあってこの教室にもいろいろと思い出があるのだ……少し思い出に浸っていると、開けっぱなしの扉から声がかかる

一太「あれ、竹井さんこんなところにいたんですか」

久「あら内木くん……こんなところって、あんたも来てんじゃないのよ」

一太「僕にとってはここが一番思い出深い場所なので……てっきり、旧校舎の方に行ってるものかと」

久「先にこっち見てこうと思ってね……部室はこれから」

一太「そうですか」

久「彩乃は?」

一太「正門の方行きましたよ。 ほら」

窓の外に視線をやれば、たくさんの卒業生にそれを見送る在校生たちの姿が見える……たしかに、正門の辺りに生徒議会の仲間たちの姿も確認できる

久「ほんとだ……あんたは行かなくていいの?」

一太「あとで行きますよ……少し、ゆっくりしたい気分なんです。 ……お邪魔でしたか?」

久「別に……私こそ出てこうか?」

一太「いいですよ、そんな……一緒にやってきた仲じゃないですか」

久「……それもそうねー」



SSWiki : ss.vip2ch.com



2: ◆FYW.3i5lks[saga]
2015/03/18(水) 19:19:28.75 ID:Az7vDE1k0

一太「机に座るのは行儀が悪いですよ……座るなら、こちらに」

久「はいはい……いちいち真面目ねぇ」

以下略



3: ◆FYW.3i5lks[saga]
2015/03/18(水) 19:20:15.35 ID:Az7vDE1k0

門の外にいるようなので被っていまいち姿は見えないけど、須賀くんの金髪はよく目立つ。 走り回っているのでたぶん優希とじゃれてるんだろう

一太「みんな、待ってるんじゃないですか?」

以下略



4: ◆FYW.3i5lks[saga]
2015/03/18(水) 19:20:48.01 ID:Az7vDE1k0

内木くんと別れて学生議会室を出ると、人気もまばらな校内をのんびりと歩く

議会室から部室へ向かうのも、たぶんこれが最後になるんだろう

以下略



5: ◆FYW.3i5lks[saga]
2015/03/18(水) 19:21:21.82 ID:Az7vDE1k0

――――――

久「……部室」

以下略



6: ◆FYW.3i5lks[saga]
2015/03/18(水) 19:22:06.57 ID:Az7vDE1k0

久「……そっちこそ、なにしてるの?」

まこ「あんたがあんまり遅いから見て来いってせっつかれてのう……邪魔したか?」

以下略



7: ◆FYW.3i5lks[saga]
2015/03/18(水) 19:22:51.99 ID:Az7vDE1k0

まこ「とはいえ、優秀なわりにはあんたすぐに迷走始めるんがなぁ……」

久「むっ、そんなことないでしょ? しっかりものの頼れる部長だったじゃないの」

以下略



8: ◆FYW.3i5lks[saga]
2015/03/18(水) 19:23:44.80 ID:Az7vDE1k0

久「他にもほら、忍者とか!」

まこ「……なんだかんだ忍者は長持ちしたのう」

以下略



9: ◆FYW.3i5lks[saga]
2015/03/18(水) 19:24:23.09 ID:Az7vDE1k0

本当に、よかった

最初の一年間をひとりぼっちで過ごした私にとっては、みんなと出会えたこと……それ自体がなけなしの奇跡だったものね

以下略



10: ◆FYW.3i5lks[saga]
2015/03/18(水) 19:25:08.47 ID:Az7vDE1k0

まこ「……じゃあ、とりあえずお茶でも淹れるかのう」

久「あら、ありがと……そんなにゆっくりしてて平気かしら?」

以下略



11: ◆FYW.3i5lks[saga]
2015/03/18(水) 19:25:51.61 ID:Az7vDE1k0

まこの淹れたお茶を手に、ひと息つく

咲「すみません、待ってようって言ったんですけど……」

以下略



12: ◆FYW.3i5lks[saga]
2015/03/18(水) 19:26:40.48 ID:Az7vDE1k0

優希「とは言ってみたものの……」

和「……ゆーきは、とってもいい打牌をしたと思いますよ?」

以下略



13: ◆FYW.3i5lks[saga]
2015/03/18(水) 19:27:12.12 ID:Az7vDE1k0

久「いいでしょ、別に……それくらいは顔出したいって思ってるんだから……まあ、実際にそういうわけにもいかないんだろうけど」

……私だって、卒業するのが寂しいことは否定しようがない

以下略



14: ◆FYW.3i5lks[saga]
2015/03/18(水) 19:27:49.67 ID:Az7vDE1k0

勧誘、いい思い出ないのよねぇ

そこがうまくいかないからこそ、長いこと卓も囲めなかったわけだし……

以下略



15: ◆FYW.3i5lks[saga]
2015/03/18(水) 19:28:23.27 ID:Az7vDE1k0

京太郎「いや、真面目な話……部員増加のためには、そういうライトな層をいかに取り込むかってとこもあると思うんだよね、俺は!」

まこ「言っとることは間違っておらんが……」

以下略



16: ◆FYW.3i5lks[saga]
2015/03/18(水) 19:28:53.52 ID:Az7vDE1k0

優希「でも、部室は広いし……部員もたくさん増えるといいな……卓も、マットとか使えばいいし!」

咲「染谷先輩のおうちから古くなった道具とか、もらってこれないんですか?」

以下略



17: ◆FYW.3i5lks[saga]
2015/03/18(水) 19:29:35.70 ID:Az7vDE1k0

和「ネット麻雀ではダメなんですか?」

京太郎「やっぱり牌触りたいからさー」

以下略



18: ◆FYW.3i5lks[saga]
2015/03/18(水) 19:30:07.55 ID:Az7vDE1k0

とはいえ、実際のところプロ入りは結構悩んだところでもある

麻雀は大好きだし、ずっと打ち続けていきたい。 打つのを仕事にできるなら最高だ

以下略



19: ◆FYW.3i5lks[saga]
2015/03/18(水) 19:30:46.85 ID:Az7vDE1k0

和「……どうかしましたか?」

久「……ん? ああ、いや……これからの輝かしい未来に思いを馳せていたのよ」

以下略



20: ◆FYW.3i5lks[saga]
2015/03/18(水) 19:31:14.46 ID:Az7vDE1k0


京太郎「よろしくお願いしますっ!」

優希「よろしくお願いします!」
以下略



21: ◆FYW.3i5lks[saga]
2015/03/18(水) 19:31:43.34 ID:Az7vDE1k0

優希は、本当によくやってくれた

多くの高校が団体戦においては先鋒にエースを据える。 中学から上がりたての優希が、宮永照や辻垣内智葉をはじめとした全国区の中でも特に力を持った相手と渡り合うのは大変だっただろうし、悔しい思いもたくさんしただろう

以下略



46Res/64.28 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice