過去ログ - 櫻子「めぐみの雨と、恋で咲く花」
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41:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:49:31.28 ID:JxUSEnW0o
「櫻子ちゃん……いつもありがとう」
「えっ?」
「私のために……こんなにいつも一緒にいてくれて。もう私、寂しくなくなったよ」
42:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:49:58.63 ID:JxUSEnW0o
「受験が始まった、高三の夏ぐらいから感じてた寂しさ。みんなと違う道を進むことになる寂しさ。受け入れたくないけど、絶対にやってきてしまう別れ。それを一人で受け止めきれなくて、私はいつまでも引きずって悲しんでた……」
「でもね、櫻子ちゃんと一緒にいたら、その寂しさがだんだん無くなってきたの」
43:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:50:31.01 ID:JxUSEnW0o
「撫子に伝える気持ち……櫻子ちゃんは、私がそれをちゃんと形づくることを望んでたんだよね……?」
「…………」
「でもね……今は、撫子に伝える気持ちは何もないの。確かに今でも大好きだけど、私がそれを伝えることは、撫子にとって良いことじゃない。撫子だって、新しい世界で頑張ってるんだもん」
44:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:51:01.12 ID:JxUSEnW0o
「もう撫子お姉ちゃんのこと、好きじゃないの……」
「え……いや……」
「そんなの絶対ダメだよ!!!」
45:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:52:01.44 ID:JxUSEnW0o
気持ちに区切りをつけた自分を、偉いと思っていた。自分に向き合うことができて、一番いい方向に進むためのレールに乗れた、櫻子はそれを応援してくれると思っていた。
唐突に、裏切られてしまったような気持ち。
46:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:52:31.47 ID:JxUSEnW0o
櫻子と喧嘩なんて……絶対にしたくなかった。
せっかくできた一番の味方を失うこと。けじめをつけた自分の気持ちを、一番の味方に否定されたこと。撫子との全てを終わらせること。その全てが一気に押し寄せてきて、流したくない涙が溢れてきた。
それでも目を拭うことは許されなかった。櫻子に強く腕をつかまれて、自由がきかない。
47:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:53:04.77 ID:JxUSEnW0o
〜
帰ってすぐに、風呂に入った。汗ばむ体を流し、泣き顔も直さなければいけなかった。
48:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:53:58.91 ID:JxUSEnW0o
「撫子……!!」
撫子からの着信通知が、5〜6件ほど連なっていた。
49:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:54:35.82 ID:JxUSEnW0o
全てバレてしまったんだ。私がずっと引きずっていたことも、櫻子とつながって、そこに撫子の名残を感じて寂しさを埋めていたことも。
何を言えばいいのか、どう説明すればいいのか、混乱してまったく思い浮かばない。
50:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:55:03.76 ID:JxUSEnW0o
「…………」
『…………』
51:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:55:30.72 ID:JxUSEnW0o
「……どうしたの?」
『めぐみ……』
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