過去ログ - 櫻子「めぐみの雨と、恋で咲く花」
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57:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:58:39.75 ID:JxUSEnW0o
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58:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:59:23.45 ID:JxUSEnW0o
「………っ…」
はっと目を覚ます。いつの間にか、泣き疲れて眠ってしまっていたようだ。
59:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:59:54.21 ID:JxUSEnW0o
「…………」
ずらずらと並ぶ何十件もの着信履歴。その一番上にだけ、音声メッセージが入っていた。
60:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 18:00:47.02 ID:JxUSEnW0o
『あの桜の木の下に……今から行くよ』
『これを聞いたら、どうか来てほしい』
61:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 18:02:23.15 ID:JxUSEnW0o
撫子のいる場所から私のもとまで、どう考えても終電に間に合わないのではないか?
けれど、撫子はいつだって本気だ。
62:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 18:03:38.88 ID:JxUSEnW0o
私の気持ちは妙にざわめいている。さっきまであんなに撫子に会うのが怖かったのに、今はそんな恐怖よりももっと違う感情が生まれては巡り回っていた。
撫子が来る。
63:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 18:04:06.50 ID:JxUSEnW0o
〜
桜の木の下には、まだ誰もいなかった。
64:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 18:04:45.05 ID:JxUSEnW0o
今までずっと、いないはずの撫子を探していた。人だかりを見れば、そこにいるはずのない撫子の姿を探してしまっていた。街に出れば、撫子と同じような服装をしている人を無意識に目で追いかけてしまっていた。
何度も夢見た、撫子の姿。
目を閉じればいつでも思い描ける。あの日あの時、一面の桃色の中にいた撫子。
65:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 18:05:15.44 ID:JxUSEnW0o
「……撫子?」
「…………」
66:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 18:05:42.22 ID:JxUSEnW0o
「来てくれたんだ。本当に」
「……うん」
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