127: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/04/21(火) 01:59:50.52 ID:8uChUkcw0
ディーの話を聞いていた京太郎は、表情が硬くなっていた。恐れたのだ。京太郎が恐れたのはマグネタイト器量の話ではない。
それはどうでもいいことだ。
現世がかなり危ういバランスの上に立っているということを理解して恐れたのだ。
128: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/04/21(火) 02:04:32.86 ID:8uChUkcw0
ここまで話を聞いた京太郎は苦笑いを浮かべた。ハギヨシがクーデターまがいの行動をおこしていたのが驚きだった。
ハギヨシはどちらかというと優等生的な性格だと思っていたからだ。自由なディーと真面目なハギヨシでいい感じになるとおもっていた。
しかし思い切り自分を貫いたというので、これは驚きであった。
129: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/04/21(火) 02:09:10.26 ID:8uChUkcw0
虎城の質問に少しだけ間をおいてディーが答えた。
「それはマジでノーコメント。
でも、ひとつだけ知っていることがあるから、我慢してくれ。
130: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/04/21(火) 02:13:47.15 ID:8uChUkcw0
やる気に満ち溢れている京太郎を見てディーがこういった。少し笑っているようだった。
「道を通るためだよな?」
京太郎の様子というのが面白かったのだ。本当にディーの友人と似ていた。背格好の話ではない。心の話だ。そしてディーは思い出すのだ。
131: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/04/21(火) 02:18:18.91 ID:8uChUkcw0
手が届く距離に京太郎が寄ってくると怪しい女性は笑った。うれしくてしょうがないのだ。ずいぶん下品な笑い声を上げていた。
声を出しなれていないため声がざらざらとしているのもあいまって、怪物が笑っているようにしか聞こえない。
そろそろ京太郎に嫌われてしまったのではないかと怪しい女性は考えていたのだ。彼女は頭が悪いわけではない。
132: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/04/21(火) 02:22:32.43 ID:8uChUkcw0
わずかに姿勢を崩していた一人目の女性がありえない速度で体の姿勢を整えて、京太郎の胴体に飛び掛ってきた。
京太郎が見事に握手をかわしたところで、女性の体から魔力があふれ出し、二つの輝く赤い目に力が満ちたのだ。
そしてあっという間に姿勢を整え京太郎にタックルを放った。京太郎の暴走気味の集中力を持っても、目で追うのが精一杯の速度だった。
133:名無しNIPPER[sage]
2015/04/21(火) 02:25:49.03 ID:9frMOM5/o
面白すぎる
134: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/04/21(火) 02:26:34.25 ID:8uChUkcw0
立ち上がったときに少しだけふらついた。頭が痛かったのと、肉体が筋肉痛のような痛みでいっぱいになっていた。
京太郎が立ち上がると少しだけ間をおいて、ディーが声をかけた。
「いい動きだったよ。反応する早さも、肉体の操作もよかった。特に肉体の操作に関しては天性のものがあるね。鍛えれば一級品になる」
135: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/04/21(火) 02:30:25.25 ID:8uChUkcw0
スポーツカーが走り出すと、京太郎のまぶたが落ち始めた。あと少しで眠り始めるだろう、うつらうつらしている。
圧倒的過ぎる魔力とマグネタイトを持つ怪しい女性との立会いが、京太郎の体力と精神力を大幅に削ってしまったのだ。
そして刹那の単位で動く女性を視界に納めるために集中力を使いすぎた結果、いよいよ京太郎は眠りに落ちる寸前まで追い込まれたのである。
136:名無しNIPPER[sage]
2015/04/21(火) 02:31:17.91 ID:CtKc+F1DO
おお、ついに続編きたのか
137:名無しNIPPER[sage]
2015/04/21(火) 02:32:10.80 ID:zKsN5O/vo
力作だな
嬉しい
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