過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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90: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/04/24(金) 01:40:33.78 ID:NGKYIe+ko

 アーニャの視界に映る範囲は全て崩れ去った倉庫の残骸だ。
 その残骸を見下ろし、いまだ生きているであろう義手の女を探す。
 だが見当たらない。当然本能で仕留め切れていないことを知っているアーニャは無差別に攻撃を開始する。

以下略



91: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/04/24(金) 01:41:09.38 ID:NGKYIe+ko

 一瞬の鋭い金属音と共にわずかに逸れるアーニャの竜の尾。
 義手の女はそれに加えて尾の逸れる逆方向に十数センチわずかに体を動かす。

 そのほんのわずかの動きだけで全く進行速度を落とさずに攻撃を回避した義手の女。
以下略



92: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/04/24(金) 01:42:02.54 ID:NGKYIe+ko

 淡々と一言、義手の女は愚痴でも言うように口にする。
 高速で振り上げられた左の腕は、同様に高速で迫りくる竜の尾を一瞬撫でる。竜の尾の先はその動作によって切断される。
 切断されても残った尾は勢いは落ちず女に迫り来ていたが、その残った尾を女は右手で掴んだ。

以下略



93: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/04/24(金) 01:42:45.53 ID:NGKYIe+ko

「マーシャルアーツ改式『クレイジー・ドーター』」

 トドメと言わんばかりにアーニャに跳びかかる義手の女。
 ふくらはぎでアーニャの頭をがっちりホールドした後に、空中で一回転。
以下略



94: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/04/24(金) 01:43:32.27 ID:NGKYIe+ko

 それでもなお本能で立ち上がろうとするアーニャ。
 もはや三半規管さえ麻痺しているにもかかわらず、ただ目の前の敵を殺すために立ち上がろうとする。

「フフン」
以下略



95: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/04/24(金) 01:44:28.72 ID:NGKYIe+ko

 だがそんなアーニャを義手の女は横目に見つつ、すでに予期していたかのようにいつの間にか持っていた石つぶてを投擲していた。
 外傷はないアーニャであるが脳の状態は万全ではない。瓦礫を跳ね除けた時点ですでに目の前まで迫り来ていた高速の石つぶてを見てから回避することなどできなかった。

 尖った石つぶてはアーニャの眼球を貫通し、後方に着弾する。
以下略



96: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/04/24(金) 01:45:43.76 ID:NGKYIe+ko

 もはや言語の体さえ成していない声で低く唸り、アーニャは周囲の様子を伺うように周りを見渡した。
 そして未だ崩れていない残った倉庫へ向けて口を開き、再び光が収束していく。

「ガアアアアアアアааааааааааааааааа!!」
以下略



97: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/04/24(金) 01:46:24.90 ID:NGKYIe+ko

 そうと決めれば話は早い。任務はすでに終えているのでこの場から離脱して帰還するだけであった。
 義手の女は腰の裏。軍事用のカーゴパンツとセットとなる小さなポーチからあるものを取り出そうとする。


以下略



98: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/04/24(金) 01:47:22.61 ID:NGKYIe+ko

「フッー……カアアаааа……」

 義手の女が瓦礫から飛び出てきた音に当然のように気付いたアーニャはその方向を向く。
 口から吐く吐息は人間の呼吸ではない荒々しさを纏い、向けられた眼光からは破壊衝動ともいうべき暴力的な赤色が視線の尾を引く。
以下略



99: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/04/24(金) 01:48:13.50 ID:NGKYIe+ko

「!?」

 それを回避しようとその場から移動しようとしたアーニャであったが、まるで体が縛り付けられたかのように動けない。
 この異変に再び視線を戻せば目に映るのは自らの手を地面に縛り付ける和釘。だがその効力に気づいた時点ですでにアーニャには手遅れであった。
以下略



100: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/04/24(金) 01:49:26.01 ID:NGKYIe+ko

 そう言いながらふわりと降り立った青肌の鬼の掌から降りる少女。
 小早川紗枝は異形と化したアーニャを見下ろした。

「こんにちわ」
以下略



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