過去ログ - 梓「憂、もう帰ろ?」憂「…………」
↓ 1- 覧 板 20
13:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:11:16.59 ID:A/teO6r30
唯がパカッとケータイを開き、手早くメールを打ちはじめる。
梓にメールを送っているんだろう。
絵文字や顔文字、いろいろ工夫して可愛くしようとしているうちに、うっかり途中送信してしまう。
14:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:13:17.59 ID:A/teO6r30
*
ぶるぶる。
あずにゃんのカバンの中から、ケータイのバイブ音が響いているのが聞こえた。
15:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:14:35.56 ID:A/teO6r30
あの後、雪はまた勢いよく降り出して、結局山の上には登れなかった。
登らなかった、かな。
『ほら、雪また降ってきたよ。止めとこうよ。滑って転んだら危ないよ』わたしがそう言うと、あずにゃんは立ち止まった。肩に雪がかかってる。そのまま振り向かずに言った。
16:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:15:12.12 ID:A/teO6r30
『雪、マシになってきましたね』
これなら登れましたね、とあずにゃんは言わなかった。
17:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:16:26.11 ID:A/teO6r30
『あんな店…あったっけ』
『さぁ…どうだったでしょう』
18:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:17:00.60 ID:A/teO6r30
あずにゃんとは今でもよくメールする。
わたしがメールすると、いつでもすぐに返事が来る。
わたしもすぐに返事をする。返事が来る。返事、返事、返事、…。
そうやっていつまでもメールが終わらない。
19:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:17:56.40 ID:A/teO6r30
『何鍋にしようか?』
『鍋…っていうのは決定してるんですか…』
20:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:19:04.54 ID:A/teO6r30
*
ピンポーン。
21:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:19:48.39 ID:A/teO6r30
「いらっしゃい、梓ちゃん」
「おはよ。おじゃましてます…憂、具合はどう?」
22:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:20:28.37 ID:A/teO6r30
唯が差し出した体温計を受け取る。
細くて白くて安っぽい体温計のさきっぽ。
そのさきっぽの銀色が、紺色のポロシャツの胸元から憂の内側に侵入し、間を割って右腋にねじ込まれる。
23:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:21:18.72 ID:A/teO6r30
デジタルの表示を見た憂は微笑んだ。その頬がりんごのようにあかい。
「この体温計、壊れてるみたい」
138Res/118.83 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。