過去ログ - まったく、小学生は最高だぜ!!  百合ver
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1: ◆/BueNLs5lw[sage saga]
2015/04/05(日) 10:02:26.92 ID:UROCsVvH0
百合、ファンタジー、暗い要素あり
書き溜めなしなので思いつくままです




『犯人と思われる男性は、まったく、小学生は最高だぜ!! と繰り返し供述しており支離滅裂な――』

秋葉原で一昨日から話題になっていた、女児連れ去り事件の犯人が逮捕された。
自宅に囲っていた3人の小学生が警官に保護される映像が流される。
何の配慮もない報道陣らのシャッター音が生々しい。
テレビ画面の下に出ていた犯人の年齢は21歳で、私よりも4歳も経験値の豊富な人間でさえ、
こういった誤ちを犯すならば、17歳の私の彼氏がどんな罪を犯してもしょうがないように思えた。

その彼氏に首元を押さえつけられながら、そう思った。
喉の骨が潰れる、そう思った瞬間、

「あッ……」

気道が確保される。
彼氏の手がゆっくりと離れていくのが見えた。

「ごめん、ごめん、ごめん……好き、好き、好き」

確か何ヶ月か前に、同じような謝罪と愛の囁きを聞いたよう気がした。

「ごッほッ……ッ……ごほッ」

私は喉元を抑えながら立ち上がる。
土下座する彼氏。
さっきと同じように、

『君とはもう別れる』

とは言えない。
どうすればいい。

「今日は、体調悪いから……一人にさせてもらっていいかな?」

彼は弾けるように顔を上げた。
満面の笑顔。
発端の笑顔。
今はもう、見るに堪えない。






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2: ◆/BueNLs5lw[sage saga]
2015/04/05(日) 10:29:42.75 ID:UROCsVvH0
勝手に許されたと勘違いしている顔。
他に何て言えば、首を締められるという結末から開放されるのだろう。

「そっか、それで変なこと言ってたんだ。うん、ごめん。ちょっと、僕もかっとなっちゃって……君が弟を連れてくるなんて言うから動転したみたい」

以下略



3: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/04/05(日) 11:03:47.89 ID:UROCsVvH0
次の日、マフラーを巻いて高校へ登校した。
家を出るときは、誰もいないのでおかしいとは思わなかったが、
外に出て街行く人を見ると、やっぱり春なのにこれはちょっと浮いてしまうと後悔した。

「さくら、おはよう」
以下略



4: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/04/05(日) 11:04:14.37 ID:UROCsVvH0
ちょっとここまで


5: ◆uotUYGHVwM[saga]
2015/04/05(日) 11:19:26.07 ID:MBdWRONV0
支援



6: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/04/05(日) 12:18:54.81 ID:UROCsVvH0
学校の帰り、交差点の電光掲示板で深夜にやっていたニュースの続報が流れていた。
犯人が言うには、自分が拐ったのではなく女児らが自ら家にやってきた。
そして、自分に真実の愛を教えて欲しいと言ったらしい。
アナウンサーもいつもは淡々と喋るのに、今日はどこかぎこちない。
犯人の気味の悪い供述のせいだろう。
以下略



7: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/04/05(日) 12:33:44.12 ID:UROCsVvH0
人のいる所へ行きたくて、家の近くの大通りに面した唐揚げ屋さんに寄った。
そこで手羽先の唐揚げを6つ程購入して、しばらくじっと座って携帯をいじるフリをしていた。
お客さんが増えてきたので、腰を上げる。向かいの本屋さんに行き、雑誌をぱらぱらとめくってまた時間を潰した。
家に帰ると、だいたいドアの前に彼がいる。最初は、それが本当に嬉しくて堪らなかった。
優しい彼が、そこにいて待ってくれて。一緒に食べるご飯は美味しくて。
以下略



8: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/04/05(日) 12:42:50.27 ID:UROCsVvH0
「妹さん? お姉ちゃん、驚かしたらダメだよ」

右隣にいた男性が、笑いながら彼女の頭を撫でた。
少女は目を閉じることなく、

以下略



9: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/04/05(日) 13:06:21.99 ID:UROCsVvH0
書店を出て彼と帰路に着く。

「何買ったの?」

「手羽先の唐揚げだよ」
以下略



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