過去ログ - 乃々「ここ、どこなんですか……」
↓ 1- 覧 板 20
31:名無しNIPPER[saga]
2015/04/12(日) 00:38:37.15 ID:gs2y2Pp50
歴戦の狩人としての勘、視力の代わりに強化された聴覚と嗅覚が、これから起こることをガスコインに警告する。彼は急いで
乃々だけでも門の外に出そうとするが時すでに遅く。
乃々「あ、あれ……なんだか変な霧がかかって出られないんですけど……」
ガスコイン「チィ! おい、どこか適当な場所に急いで隠れろ! 俺がいいというまで出てくるんじゃないぞ!」
乃々「え、どうして、もう敵は――」
その時、大気を切り裂くような咆哮があたりに響いた。乃々は先程までの敵とは違うその悲鳴のような異様な叫びに恐れを
感じて急いでそばにある馬車の物陰に隠れる。
ちゃんと乃々が隠れたことを確認してからガスコインは武器を構え、緊張の面持ちで前方を見る。咆哮の聞こえてきた場所を。
そこは聖堂街。そして人には絶対不可能な高さの跳躍を行って大橋へと飛び降りてきたソレは、ガスコインの姿を確認すると
再びすさまじい咆哮を上げた。
聖職者の獣「KIAAAAAAYAAAAA!!」
ガスコイン「聖職者の獣……このタイミングで……!」
左腕が右腕に対して異常なほどに大きく、その頭部には乃々が今まで見てきたどんな生物の物とも違う奇妙な形の角があり、
巨体はやせ細っているというのに見る者すべてを圧倒する存在感がその獣にはあった。
乃々(な、なんですかれあれ……! すごい危ない予感がするんですけど……!)
馬車の影から聖職者の獣の姿を確認した乃々は、突然現れた恐ろしい敵に足が震える。対するガスコインはただただ冷静に
聖職者の獣を眺め、攻撃の隙を伺う。
ガスコイン「俺も神父の端くれだ、獣とはいえ元同業者。せめて苦しまないように殺してやる」
きっと聞こえていないであろう宣言を聖職者の獣に行いながら、ガスコインは走った。その直前彼に向かって跳躍を行っていた
聖職者の獣は、誰もいない落下地点に拳を振り下ろす。
45Res/58.43 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。