過去ログ - 【艦これ】艦娘「ケッコンカッコカリオコトワリ」 2
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638: ◆p7uyiJsetI[sage saga]
2016/01/23(土) 19:06:23.55 ID:MmhKlG4Y0
彼は得難い友人だった。
彼の方からしても俺の事をそう思っていてくれたらしく葬儀にも呼ばれ、その後しばらくは、いや、今も俺の気持ちには穴が開いている。
が、同時にその穴の壁面にこびりついた思いもある。

彼の葬儀後、俺はなお、仕事にのめり込んでいった。
以下略



639: ◆p7uyiJsetI[sage saga]
2016/01/23(土) 19:06:54.66 ID:MmhKlG4Y0


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640: ◆p7uyiJsetI[sage saga]
2016/01/23(土) 19:07:21.95 ID:MmhKlG4Y0
どんな風に夢が終わったかはわからない。
眼前の黒が何色ものノイズでかき乱される。
それが眩しいという感覚だ、と思い出すのに数瞬かかった。
夢を見た割には、眠りは深かったようだ。
本能的に強く瞼を閉じると、それが刺激になったのか、素早く脳が現状を整理し始めた。
以下略



641: ◆p7uyiJsetI[sage saga]
2016/01/23(土) 19:07:49.35 ID:MmhKlG4Y0
俺も男だ。
綺麗所に囲まれた職場にあって、目覚めた直後に好んで男性の、しかもごつい部類に入るであろう顔が見たいだろうか。
反射的に謝罪を口にはしたものの、正直、あまり良い寝覚めとは言えない。

とはいえ、想定していなかった顔を見たことで、一瞬、倒れている間に入院でもしたかと思い、体は起こさずに目だけを動かして周囲を見回す。
以下略



642: ◆p7uyiJsetI[sage saga]
2016/01/23(土) 19:08:16.46 ID:MmhKlG4Y0
とはいえ、視線は下がったままで、加えて口調も感情が読み取りにくい一本調子。
機嫌が悪いようでもあり、そうでないようでもある。
この人の性格からして、恐らくわざとそういう態度に固めているのだろうが、そうするとその意図は何か。

提督「しかし、呼ばれたって。……ああ、よりによって」
以下略



643: ◆p7uyiJsetI[sage saga]
2016/01/23(土) 19:08:51.37 ID:MmhKlG4Y0
ふふ、と軽く笑いつつ、老提督は膝の文庫本を閉じる。
そしてベッドのサイドテーブルにそれを置くと、椅子をガタリと動かし、俺との位置を多少調整した。

老提督「随分な無茶をしていると聞く、と言ったろうが」

以下略



644: ◆p7uyiJsetI[sage saga]
2016/01/23(土) 19:09:20.00 ID:MmhKlG4Y0
老提督「……ふむ」

そう自覚した途端、全身が脱力感に支配された。
かろうじて挙げた右腕をそのまま両目の上に乗せしばらく動かずにいると、その向こうで鼻が鳴る。

以下略



645: ◆p7uyiJsetI[sage saga]
2016/01/23(土) 19:09:58.69 ID:MmhKlG4Y0
老提督「言っとらんよ、そんな事は」

提督「え?」

老提督「極秘などとは、言っていない。我々が勝手に、話すまいと判断しただけだ」
以下略



646: ◆p7uyiJsetI[sage saga]
2016/01/23(土) 19:10:27.88 ID:MmhKlG4Y0
話すべき者がいれば、当然聞く者も。
確かにそうかもしれない。

老提督「君はそこの辺りを勘違いしていたから、行き詰っていただけの話だ」

以下略



647: ◆p7uyiJsetI[sage saga]
2016/01/23(土) 19:10:56.08 ID:MmhKlG4Y0
彼は一言呟くと、組んだ膝を指で軽く叩きながら軽く首を捻り背後をちらりと見た。

老提督「そんな事、知らんよ。そもそも、君はまだ勘違いしているな」

提督「はい?」
以下略



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