24: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2015/05/23(土) 20:09:41.13 ID:WT24WuKIo
それからのことは彼は詳しく語らない。
だが最終的にこの町で、彼は酒場を開いている。
「まあいろいろあったんだけどな。別に話すほどのこたねえよ。さっきよりもっと面白くねえクソ話だ。
25: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2015/05/23(土) 20:10:07.98 ID:WT24WuKIo
ふと気づいて指をさす。彼の後ろの写真立て。
男女の二人が寄り添うようにして映っている。
「それは奥さんとの?」
26: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2015/05/23(土) 20:11:26.57 ID:WT24WuKIo
「まあ子供ができればお前さんほどだったかもしれないな」
「やはり身体が?」
「ちょっとあいつはひ弱すぎた。体力が足りなかったんだな」
27: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2015/05/23(土) 20:12:24.69 ID:WT24WuKIo
「成り上がりを目指して中途半端で、好きな女は手に入らない。
小さな町の酒場の主に収まって、捕まえたのは幽霊女一人きり。
これが俺の分際とも、わりいことした報いとも、どうにもいうこたできるん……だが」
28: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2015/05/23(土) 20:13:02.87 ID:WT24WuKIo
夜の外気に触れて吐く息は、白くかすんでかき消えた。
旅先の思わぬところで得た物語に僕は少しばかりの満足を得て、代わりに少しの悔いを残した。
僕の母は昔ある都市の酒場の看板娘だったらしい。
潰れてそこを離れたのだが心残りがあったそうだ。
29: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2015/05/23(土) 20:13:30.64 ID:WT24WuKIo
大きな夢を抱いて、小さな現実だけが残る
その小さな現実をそれでいいと思う人もいる
30: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2015/05/23(土) 20:13:59.17 ID:WT24WuKIo
おわり
31:名無しNIPPER[sage]
2015/05/24(日) 22:55:08.15 ID:0PAonUGho
乙
幸せの価値は人それぞれ
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