407:名無しNIPPER[saga]
2015/08/04(火) 23:59:31.70 ID:cpl1ZqNDO
誰かがやれと言ったわけではない。いつの間にかそうなっていた。自然と今の立ち位置になっていた。おかげで生徒会の仕事は滞りなく進んでいる。それどころか、以前よりずっと順調だった。
ミレイから仕事を振られ、それをメンバー内で押し付け合う事は無くなったし、全員で暗くなるまで居残りすることも無くなった。会議は滑らかに進み、雑談の時間が前よりも多くなった。
408:名無しNIPPER[saga]
2015/08/05(水) 00:00:34.29 ID:h3ZjdUpDO
「ところでさっきの娘って誰?」
嫌な考えを振り払うように尋ね、無理やり気持ちを切り替える。
409:名無しNIPPER[saga]
2015/08/05(水) 00:05:31.66 ID:h3ZjdUpDO
「……その日、僕は夕方の公園でベンチに座っていた。三時間近く街を歩いた後の、ささやかな休息だった」
その光景は容易に想像出来る。夕焼け空を眺めながらぼんやりしていたのだろう。暇な時、ライは良く空を見上げている。
410:名無しNIPPER[saga]
2015/08/05(水) 00:06:36.31 ID:h3ZjdUpDO
「ふっ……!」
思わず笑いが吹き出す。カレンの脳内では、その光景が鮮明に再現されていた。小首を傾げ、不思議そうにする少女と、呆気に取られるライの姿。
411:名無しNIPPER[saga]
2015/08/05(水) 00:08:07.09 ID:h3ZjdUpDO
「…………」
「なに、怒ってるの?」
412:名無しNIPPER[saga]
2015/08/05(水) 00:09:18.72 ID:h3ZjdUpDO
母や兄にわがままを言って、食べさせてもらっていたっけ。切り分けられるハンバーグを眺めながら、そんなことを思う。
焼けた鉄板の上に置かれたハンバーグは、ナイフを入れるとその肉汁を溢れ出させる。オーブンでしっかりと焼かれた証拠だ。そしてトロトロになったチーズが、肉汁の混ざったソースと絡み合う。
413:名無しNIPPER[saga]
2015/08/05(水) 00:10:06.41 ID:h3ZjdUpDO
「あ、あなた、なにをやっているのよっ……!?」
混乱しながらもライを問い詰める。彼はいつもの無表情で、
414:名無しNIPPER[saga]
2015/08/05(水) 00:11:00.74 ID:h3ZjdUpDO
「では、お願いします」
あっさりと注文を終え、アルバイトが去っていく。どことなく満足そうな様子のライは、静かに食事を再開した。
415:名無しNIPPER[saga]
2015/08/05(水) 00:13:09.86 ID:h3ZjdUpDO
今回はこの辺で。ここまで読んで頂いた方、ありがとうございました。
416:名無しNIPPER[sage]
2015/08/05(水) 01:00:11.26 ID:KXhDq3slo
乙です
417:名無しNIPPER[sage]
2015/08/05(水) 01:03:31.74 ID:+XZIha9EO
乙です
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