650: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/01(木) 23:35:00.38 ID:5rFYbDODO
「スザク君がいないと寂しい?」
そんなライの心中を察したのか、セシルが悪戯っぽく訊いてくる。ロイドと同じく、その表情や仕草はどこか子供のようだった。
651: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/01(木) 23:36:13.42 ID:5rFYbDODO
「凄い人気ですね」
「え? そ、そうかしら」
652: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/01(木) 23:42:22.20 ID:5rFYbDODO
「指紋と網膜を始めとして、いくつか検索をしてみたのだけど……本国のデータベースにあなたの情報は無かったわ。色々と権力や特権なんかも使ったのに、手掛かりは無し」
「なら、これ以上さがしても無駄ですね」
653: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/01(木) 23:44:15.96 ID:5rFYbDODO
人の筋繊維は一度断たれると、治った時により強靭となる。これは超回復といって、学校の教科書にも載っているような初歩的な医学知識だ。
普通の場合は運動などによって負荷をかけ、長い時間をかけて筋肉を成長させていく。筋肉痛は筋繊維が成長する合図だ。
654: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/01(木) 23:46:15.14 ID:5rFYbDODO
「でも、それって何の意味があるんでしょうか」
脳から送られる電気信号に異常は見あたらなかった。いくらパイプを太くしたところで、流れる水の量が変わらないのなら意味が無いだろう。
655: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/01(木) 23:47:22.98 ID:5rFYbDODO
謎は深まるばかりだ。
「この薬物には依存性や後遺症などは無いと思うから、その点は安心して貰っていいわ。でも、体に異常があったらすぐに言うこと」
656: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/01(木) 23:49:13.09 ID:5rFYbDODO
「あと、もう一つ。ライ君が使っている言葉なんだけど」
「言葉? 言語の事……ですよね」
657: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/01(木) 23:51:30.29 ID:5rFYbDODO
「ナイトメアの方は良いんですか」
昨日、スザクからロイドが自分をシミュレーターに乗せたがっていると聞いていたライは、気になって尋ねた。
658: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/01(木) 23:52:43.00 ID:5rFYbDODO
大方の設定はセシルがやってくれたのだろう。機体の状態は既に報告書の内容に極めて近いものになっていた。
だが、伝聞だけでは再現出来ないものもある。整備不良による動作不全、頭部被弾箇所からの二次被害、バランサーやスタビライザーの細かい不調などは当事者でなければ絶対に分からないことだ。
659: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/01(木) 23:54:44.71 ID:5rFYbDODO
再現シミュレーターが終わった後は機体データを<サザーランド>に変更し、基本的な機動テストを行った。ロイドと違って非常に丁寧な運行は、テスト一つでも人間性が現れるものなのだとライに思わせた。
一時間ほど<サザーランド>を動かした後、二度目の休憩が告げられた。
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