786: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/29(木) 23:21:23.66 ID:dA8mO3kDO
 朝の生徒会室。ライが入ると、やはりカレンの姿があった。膝にアーサーを乗せ、ソファーの上でくつろいでいる。 
  
  
 「おはようカレン」 
  
787: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/29(木) 23:23:06.91 ID:dA8mO3kDO
 「最近、学校はどうだ」 
  
  
 「…………」 
  
788: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/29(木) 23:24:41.50 ID:dA8mO3kDO
 「体調はどうだ。近頃はフルタイムで学園にいるが」 
  
  
 「最近は良いわ。あと、まるで私がパートタイマーで学園にいるような言い方はやめて」 
  
789: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/29(木) 23:26:36.02 ID:dA8mO3kDO
 「分かったぞ」 
  
  
 ライは閃き、指をパチンと鳴らしたくなった。出来ないのでやらなかったが。 
  
790: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/29(木) 23:27:59.13 ID:dA8mO3kDO
 「気にしなくていい。可愛いぞ」 
  
  
 思いつきだったのが良くなかったらしい。取ってつけたような言い方だった。おかげでまったく響かない。 
  
791: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/29(木) 23:28:51.24 ID:dA8mO3kDO
 「あなたは恋愛小説ばかり読んでいるわね」 
  
  
 「ミレイさんから渡されたからな。人間心理の勉強にもなる」 
  
792: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/29(木) 23:29:19.64 ID:dA8mO3kDO
 確かに最近はシャーリーと接する機会も増えてきたかもしれない。彼女と話しているとリラックス出来る。 
  
  
 明るく表情豊かなシャーリーと、陰鬱で無表情なライでは対照的だ。自分に無い物を山ほど持っている彼女から、無意識に何かを学ぼうとしているのだろうか。 
  
793: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/29(木) 23:30:10.82 ID:dA8mO3kDO
 「いつも思うんだけど、あなたって消極的すぎない? 学園に来た直後ならまだしも、今だったら問題の一つや二つ起こしても大丈夫よ」 
  
  
 「…………」 
  
794: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/30(金) 00:01:29.34 ID:2chqpXDDO
 今のライを取り巻く現状を知れば面白がるだろうが、きっと良い方向に持っていってくれるに違いなかった。残念でならなかった。 
  
  
 (いや、これは甘えだ) 
  
795: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/30(金) 00:02:44.27 ID:2chqpXDDO
 「そうか。君も楽しんでいるように見えたが」 
  
  
 楽しんでいなければ、感想を求めてきたりはしないだろう。そう思ったのだが、カレンにキッと睨まれたので口を閉ざした。 
  
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