902: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/21(土) 09:29:29.01 ID:xN9on8TDO
「いらっしゃーい!」
放課後になり、向かいの大学にある研究室にやってきた。軍服に着替えたスザクに連れられ、数台のシミュレータ・マシンがある部屋へ到着すると、白衣の男性に迎えられる。
903: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/21(土) 09:31:02.60 ID:xN9on8TDO
『今日は新型武器のテスターをやってもらいたいんだ』
ナイトメアのコックピットと同じ、内部のレイアウトを懐かしむ間もなく正面モニタにロイドが映る。
904: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/21(土) 09:33:45.62 ID:xN9on8TDO
ファクトスフィアを解放。露出したセンサー集合体が付近の湿度、風速、気温を読み取り、周辺の地形をスキャンして3D映像で表示する。
試射場に選ばれたのは深い森に囲まれた山岳地帯。天候は晴天。射撃には絶好の環境と言える。
905: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/21(土) 09:35:47.91 ID:xN9on8TDO
少し遠い。四〇ミリ弾なら届くには届くが、直撃は非常に難しかった。山岳部特有の不規則な強風が砲弾を遮る天然の防壁となるからだ。
伝説的な狙撃手なら当てられるのかもしれないが、この距離を制覇出来るナイトメア・パイロットのスナイパーは現時点で存在しない。
906: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/21(土) 09:37:38.63 ID:xN9on8TDO
(──当たれ)
確信が持てないままトリガーを引く。火薬が炸裂し、砲弾が走り出す。それが内部の電磁力により加速しつつ、砲身に刻まれたライフリングで回転をかけられ、遠心力により安定。最善の状態にまで整えられた四〇ミリ弾が砲口から飛び出していった。
907: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/21(土) 09:39:40.30 ID:xN9on8TDO
ロイドの指示に従い、<サザーランド>はライフルを後ろ腰のハードポイントに懸下する。そして新たにコックピット・ブロック脇に増設されたアームに格納してある武器を抜き放った。
『形状はただのショート・ソードだけど、切れ味は抜群だよ。今度は試し斬りをしてみて』
908: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/21(土) 09:41:25.69 ID:xN9on8TDO
大型のナイフや剣に特殊な分子加工を施すことにより、戦車の装甲すら切り裂ける物は存在する。しかし、それらは安価な代わりに耐久性が低く、ここまでの鋭さは有していない。
チタンやセラミックを組み合わせた複合装甲を持つ近代兵器に、薄い剣身しかもたない武器ではあっという間に切れ味が劣化して折れてしまう。
909: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/21(土) 09:42:54.05 ID:xN9on8TDO
今の攻防でおおかた理解した。左側からスラッシュハーケンが飛んでくる。武器を破壊された方の<無頼>がナックルガードを装備した右腕を打ち込もうと突撃してきた。
右側からはスタントンファを装備した敵機が迫ってくる。挟み撃ちの状況。コンピュータ相手に同士討ちは狙えない。
910: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/21(土) 09:43:57.55 ID:xN9on8TDO
剣という武器のせいだろうか。自分の体と同じように扱おうとしてしまった。
ナイトメアは人型を成しているが、人体の複雑な構造を再現するまでには至っていない。股関節の稼働域は人と比べて特に狭く、それが先ほどの乱れを生んだのだ。
911: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/21(土) 09:45:40.63 ID:xN9on8TDO
『疲れの方はどう? ここらで休憩を挟む?』
「……いえ。今日はこの後に用事があるので、このまま行かせてもらっていいですか」
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