過去ログ - 八幡「真のぼっち」
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16:名無しNIPPER[saga]
2015/06/21(日) 13:46:42.15 ID:KKdbAala0
「あ、ああ、そういえばそうだったな。スマンスマン、次から気をつけよう。それでだな、今回はコイツを」

 そう言って先生の声が途切れた。俺は顔の前に手を翳して恐る恐る目を開いていく。
窓際の少女の美しさが瞼の裏側にまで焼きついたかと思ったが、どうやらそんな事は無かったらしい。
詩人か俺は。
以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2015/06/21(日) 13:55:06.60 ID:KKdbAala0
 え? 先生もしかして結構バイオレンスな方だったり? 
それにこの少女もそういうダーティな方法を認めないで欲しい。
特に俺が対象の時は。

「私だってそうしたいのは山々だが最近は五月蝿い連中が多くてな。肉体への暴力は許されていないし、こいつは厄介なメンタルの持ち主でな」
以下略



18:名無しNIPPER[saga]
2015/06/21(日) 13:55:48.42 ID:KKdbAala0
 そう言って先生の体が動く、と言っても動いたのは肩から先だけで、動きもせずに触れる物といったら俺の体位のものでって。
先生の手が俺の顔に近づいた所で反射的に飛び退く。

「この通り肉体的接触に抵抗が有るようだからな、その辺も心配いらないだろ」

以下略



19:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/21(日) 13:56:24.17 ID:KKdbAala0
 そう言って先生は颯爽と教室から去ってしまった。
いや去り際にチラッとこちらを見たような気もするが、とにかくそれ以上何も言う事なく帰ってしまったのだ。

 先生はそれで良いだろう。
元々ここに居た少女もそれで構わない筈だ。
以下略



20:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/21(日) 13:56:53.70 ID:KKdbAala0
 そのまま長机を挟んで少女と対称的な位置取りになるように椅子を設置して腰を下ろした俺に少女が冷たい目を向けてくる。
廊下の冷気よりも冷えきったそれは初対面の相手に向けるものにしては厳しすぎるような気がしたが、もしかしたらあれか殴ったり蹴ったりとかそういう事が日常茶飯事な女の子だったりするんだろうか。
だからあの時パッとそういう手段を思いついたし、先生も俺をここに連れてきたのだろうか。
だとしたら入部を希望したのは早まった選択だったかもしれない。
見たところ少女の肢体は一般的な少女のそれよりも華奢な位だったが、こちらもただの素人だ。
以下略



21:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/21(日) 13:58:13.97 ID:KKdbAala0
話しかけられた少女は不快な気持ちになったのだろう。
隠しもせずにそれを表情に浮かべた。なんだろうこれって彼女なりの攻撃だったり?
そう考えると話しかけにくくなるのでこれは攻防一体の一手となり、殴ったり蹴ったりされるんだろうか。

「何故そう及び腰になるのかしら。別に手を出したりしないわ。少なくとも何もされない限りはね。それとここが何部か、ね。……そうね、ゲームをしましょう」
以下略



22:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/21(日) 13:58:48.43 ID:KKdbAala0
「いや、そうじゃない。……とも言えないな、考えた結果あっさりと試合放棄だ。まず見た感じここが運動部だという事はないだろう。道具が無い。それで行くと道具を必要とするような部活も無い。理科クラブみたいな部だったら部室も理科室辺りになるだろうからその辺もない。軽音楽、吹奏楽共に場所が違う。書道部だとしても作品がないし美術部でもない。文芸部にしては本が無造作に置かれているだけというのはおかしい、よって文芸部もなし。カードゲーム、ボードゲームの類という可能性。しかしこれらは一人では出来ない、部活が始まっているこの時間に部室に一人きりという事は他に部員が居る可能性も低いのでこれも除外。うちにはUFO呼んだりするような部はなかった筈だからここまで当たりがないならもうお手上げだ」

 注意深く生活している人間なら、昨年度末の生徒集会で報告された収支報告か何かから、うちの高校に存在する部をリストアップして照会していけるのかもしれないが、そこまで高性能な頭脳は持っていない。
これだけ可能性を列挙できるだけでも俺にしては頑張った方だろう。
そもそも部活に興味が無かった俺は、この高校にどんな部活が存在するのかも殆ど把握してないから。
以下略



23:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/21(日) 13:59:34.61 ID:KKdbAala0
 勝手にゲームの続行を決め、挑発的な笑顔を浮かべる少女を見る。
これが少女の優しさだというなら、この少女相当にイイ性格をしている。
まどろっこしいやり取りはスルーしてさっさと正解を聞きたいというのが正直な俺の気持ちだが、もしもこれに付き合わなかったら……といい加減しつこいか。

 あー、ここでこうしている事が活動内容ね。
以下略



24:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/21(日) 14:00:30.81 ID:KKdbAala0
「可愛いというただそれだけで仕事になるというのは分かる。でもそれが部活になるっていうのは」

「……人の話を聞く気がないのね。比企谷くん。女子と話したのは何年ぶり?」

 それが俺の求める答えと一体何の関連が有るというのだろう。
以下略



25:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/21(日) 14:01:05.15 ID:KKdbAala0
「いや別に女の子と話すために生まれてきた訳じゃないからさ、そうしなければならない理由もないし、現時点で特別そういう欲求もないんだ。だから与えて貰わなくて結構だと言ってるんだけど」

 俺の発言に耳を疑うと言わんばかりの反応を見せる少女。目が釣り上がり、口調も鋭くなっている。
少女は立ち上がり、俺を見下ろした。

以下略



26:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/21(日) 14:01:57.98 ID:KKdbAala0
「私はそうは思わないわね。貴方のコミュニケーション能力には重大な欠陥が有る」

「自己紹介もしてくれない相手にコミュニケーション能力について説かれる日が来るなんてな。これは審判の日も近いかも」

「……チッ、私は雪ノ下雪乃。2年J組」
以下略



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