過去ログ - 八幡「真のぼっち」
1- 20
48:名無しNIPPER[sage]
2015/06/21(日) 21:01:55.74 ID:VoESFiXyO
一巻の頃の設定は忘れた方がいいレベル


49:名無しNIPPER[saga]
2015/06/22(月) 00:40:59.52 ID:yubHZHuA0
 翌日、ホームルームを終えて無事放課後に突入した教室からいの一番に出ようとした俺の前に平塚先生が立ちはだかった。
 教室前方の扉その正面に陣取って、これから教室を弾丸のように飛び出していく生徒達を一人一人監視しようというのか。腕を組んで何かを待ち受けていた先生の視線が、扉を開けた俺を素早く捉えた。
 
 取り敢えず昨日からの短い時間で先生を怒らせるような問題は起こしていない。筈だ。断言は出来ない。先生と雪ノ下にははっきりと俺の人間性に問題が有ると告げられたばかりだからだ。でも、昨日奉仕部に入部させられてからたった20数時間、教室の端っこでまるで空気のように過ごしてきたという自負も有る。
 
以下略



50:名無しNIPPER[saga]
2015/06/22(月) 00:41:56.04 ID:yubHZHuA0
「もしかして俺が部活に顔を出さずに帰宅すると思われたんですか?」

「あ、そういう訳でもないんだが」

 最初の一言は俺の目を見て威圧するような雰囲気を発していたのに、最後は目を逸らされてしまった。マジか、もしかして俺って問題児だと思われてるんだろうか。
以下略



51:名無しNIPPER[saga]
2015/06/22(月) 00:43:45.53 ID:yubHZHuA0
 カツカツ、ゆらゆら、ふらふら、カツカツ、ゆらゆら、ふらふら

 やがてそれぞれのリズムが俺の中で結び付けられ一つの大きなリズムを形作る。夕方の校舎はノスタルジックな物の一つであると同時に活気を宿したものの一つだ。まだまだ放課後は始まったばかりでそれぞれの教室でそれぞれの生徒達が思い思いの放課後を始めようとしている今は、校舎全体が胎動を始める直前のように思える。その爆発直前の浮ついていながら張り詰めるような空気の先頭を、先生と俺が歩いている。

 とてつもない心地よさと、そのエネルギーの余波に俺まで浮ついた気分になりそうだ。
以下略



52:名無しNIPPER[saga]
2015/06/22(月) 00:45:39.57 ID:yubHZHuA0
 おお、危ない危ない。……危なかった、んだよな? 
 気付いた時には先生の顔が目の前に来ていて何も反射的に飛び退いてしまったが、気付くのがもう少し遅くなっていたら完全に当たっていた。
 いかんいかん、シラフでしかも徒歩で交通事故とか洒落にならんよ。
 これが妹にでも見られていたらそりゃもう怒髪天を衝く勢いで怒られるが、幸いに目撃者は居ないし、被害者も未遂だ。
 さっさと謝って済ませてしまおう。
以下略



53:名無しNIPPER[saga]
2015/06/22(月) 00:46:16.09 ID:yubHZHuA0
「……あ? あ、ああ雪ノ下か。いや比企谷が逃亡するかもと思ったので連行してきた。それじゃ、私はこれで。あはは、あははは」

 結局先生はあの調子で階段から滑り落ちたりしないよなと俺が余計な心配をする程度には、教室を出て行っても様子がおかしいままだった。
 俺はそんな先生が廊下を曲がって踊り場に差し掛かる辺りまで行くのを見守った後、教室の扉を閉めて昨日出した自分の席についた。
 というかもう雪ノ下部室にいんのか。速いな。
以下略



54:名無しNIPPER[saga]
2015/06/22(月) 00:47:21.65 ID:yubHZHuA0
 昨日の雪ノ下の調子を見ただけで殆ど推測できた事だったが、どうやら雪ノ下という少女は所構わず相手を攻撃せずには居られない質らしい。
 今日も早速、俺の第一声を取り上げてこんな愉快な台詞を吐いてくれやがる。

「すまん、バイト先での癖が出た。こんにちはだったな」

以下略



55:名無しNIPPER[saga]
2015/06/22(月) 00:47:58.34 ID:yubHZHuA0
 正直こいつの相手が務まるなら大概の接客系のバイトが務まるだろう。今まで相手したどんな迷惑な客より面倒臭い。
 しかも、いつのまにか俺がこいつに好意を抱いている前提で話を進めてやがる。

「違うの?」

以下略



56:名無しNIPPER[saga]
2015/06/22(月) 00:48:43.15 ID:yubHZHuA0
 数学の教科書に乗っている数式を読み上げるくらい当然と言い張る雪ノ下の表情は、冗談を口にするような柔らかな表情でも、俺を嗜虐する時の様な悦楽を感じさせる表情でもなく、何の感情も感じさせない表情だ。

「お前みたいなヤツの事を好きになる奇特な奴ってのはそんなに沢山居るのか。世の中変態ばっかりなんだな」

 確かに雪ノ下は可愛いが、それだけだ。性格が"こんな"女を好きになるなんて世の中の男子という奴はやはり度し難い。同じクラスの女子の方が数段可愛さという意味では落ちるがこいつよりは総体として可愛いと言えるだろう。
以下略



57:名無しNIPPER[sage]
2015/06/22(月) 01:00:11.76 ID:zbbVh3uPo
>>45
ワロタ!


58:名無しNIPPER[sage]
2015/06/22(月) 03:58:43.71 ID:XhrH8GHS0
期待


73Res/59.07 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice