過去ログ - 今日も、我那覇響はアイドルである。
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1: ◆uOJ/TvTGhw[saga]
2015/06/27(土) 12:31:06.99 ID:Q4dHKF280
「はいさーい!」
事務所に響く快活な声。それに気づいた1人のアイドルが出入口の方へと目を向け、その声の主へ挨拶を返す。
「おはよう、響ちゃん」
「春香。まだ千早とプロデューサーは来てないのか?」
「ううん。千早ちゃんは私より先に来てたけど、プロデューサーさんと一緒に先にレッスン場に行ってるって」
「ってことは……もしかして自分が最後か!?」
「予定よりはだいぶ早いけどね。じゃあ、行こ、響ちゃん」
「ちぇー……折角時間より早く来たのにビリかぁ……」
春香に微笑みかけられながら口を尖らせると、彼女はきびすを返し事務所の出入口へ向かった。春香もそれに続き、事務所を出る。
「えっと……ぴよ子も居なかったけど、鍵は大丈夫なのか?」
「社長が居るから大丈夫だって」
「ああ、そっか」
レッスン場へは歩いて10分程度。2人は、歩みを進めながら世間話に話を咲かせていた。
春香は響の頭を指さすと、ポニーテールを揺らして歩く響にこう聞いた。
「響ちゃん、新しいリボン買ったの?」
「ん? んー、そうそう、良いでしょ、これ! 青色が気に入ってるんだ」
「うん! 涼しげで、これからの季節に合いそうだよね」
「春香もリボン新しいの買ってみたらどうだ? もっと飾りとか付いた派手なやつとか」
「えぇ〜。私はこれで良いよ〜……随分前だけど、ライブの後にプロデューサーさんが買ってくれたやつだし」
「あれ!? 初耳だぞ!?」
「そうだっけ? ま、そういう訳で春香さんはこのリボンがお気に入りなのです。もうしばらくは、ね」
「そっかぁ。あ、そろそろレッスン場だな。よし、春香、競走だ!」
「えぇ!? ひ、響ちゃんには勝てないよぉ!」
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2: ◆uOJ/TvTGhw[saga]
2015/06/27(土) 12:32:07.88 ID:Q4dHKF280
「はいさーい! ちは……あれ、居ない」
レッスン場2階の奥から3番目の部屋、そこは3人がいつも使っている部屋だった。勢い良く扉を開けて飛び込んだ彼女が無人の部屋を見渡していると、背後から聞き慣れた声が聞こえてきた。千早だ。
「おはようございます」
「あ、おはようござ……うわ、千早か、びっくりした。なんだ飲み物買ってたのか」
「夏場の水分補給は大事だから。ところで、春香は? 一緒に来るって言って事務所に残ってたはずなのだけれど」
3: ◆uOJ/TvTGhw[saga]
2015/06/27(土) 12:33:41.53 ID:Q4dHKF280
更衣室から戻り、レッスンが始まる。今日の練習メニューはユニット曲のダンスレッスンだ。
「た、ほっ」
「ふっ……っ!」
「わっ、とと……」
三者三様の出来栄え。それらを眺めながら、プロデューサーは適宜指示を出していった。
4: ◆uOJ/TvTGhw[saga]
2015/06/27(土) 12:35:13.47 ID:Q4dHKF280
「へぇ〜、お洒落な店だね」
「だろ? この間見つけて来てみたかったんだ」
「でもさっき、我那覇さん「2人と」って」
「え、あ、いや、ひ……そう! 1人じゃ入りくくて!」
落ち着いた内装のイタリアンレストラン。入り口近くの4人テーブルに座り、3人はメニュー表を広げた。スパゲティやピザの写真がでかでかと載っていて、誰からともなくアレがいいコレがいいと口々に言い合った。
5: ◆uOJ/TvTGhw[saga]
2015/06/27(土) 12:36:46.20 ID:Q4dHKF280
「いやぁ、美味しかったな!」
「ね。また行きたいなぁ」
「そうね。次はプロデューサーも誘ってみる?」
「あ、良いかも」
食事を終え、3人は事務所へ向かう。寄り道しようかという話も出たが、意外と食事に時間がかかってしまった。
6: ◆uOJ/TvTGhw[saga]
2015/06/27(土) 12:38:59.30 ID:Q4dHKF280
「天気予報によると、今日は夏日だそうです。氷を入れて、冷やしてみました。どうでしょう」
「んー、美味しいなぁ。外から帰ってくるとこの冷たさが気持ちいいぞ」
「あっ、冷蔵庫の中からアイス発見!なの!」
「美希! 勝手に食べたら駄目じゃないかな……」
「むぅ……でも律子に見つかって怒られたら面倒だからやめておくの」
7: ◆uOJ/TvTGhw[saga]
2015/06/27(土) 12:41:22.28 ID:Q4dHKF280
「ただいま帰りましたぁ」
「うっうー! たくさん写真撮ってもらいましたー!」
「ん、雪歩とやよいか。おかえりー」
「はわっ、響さんの口の中が青いです!」
「ああ、これ? さっきまでアイスキャンディー食べてたからな。2人の分もあるぞ?」
8: ◆uOJ/TvTGhw[saga]
2015/06/27(土) 12:43:08.97 ID:Q4dHKF280
「真美参上! ズルい! ズルいぞひびきん!」
「うわ、なんだ真美、帰ってきて突然すぎるぞ」
「真美とまこちんがお仕事してる間にアイスを食べてた奴はみんな敵じゃーい! 密告してくれた亜美隊員は特別に許す!」
「理不尽すぎるぞ!」
「まあまあ真美、ボクたちはこれから食べられるんだから良いじゃないか。ってことで、ボクたちにも頂戴、アイスキャンディ!」
9: ◆uOJ/TvTGhw[saga]
2015/06/27(土) 12:45:46.45 ID:Q4dHKF280
「ふー、まさかこんな日に限って輪ゴムが無くなるなんて……お陰でこのカンカン照りの中買出しにピヨヨヨヨ……」
「ん、おかえりぴよ子。アイスもらったぞ」
「あっ、みんな食べてくれたのね。朝の内に買って冷やしておいたんだけど、買出しに出ちゃったから誰か気づくかなと思ってたのよ」
「まだ何本か残ってるぞ」
「もちろん、プロデューサーさんと社長の分も考えてあるのよ?」
10: ◆uOJ/TvTGhw[saga]
2015/06/27(土) 12:48:02.11 ID:Q4dHKF280
取材を終え、しばしの休憩の後、夜にはTV局へ向かい歌番組の生放送収録。万全のパフォーマンスを終えた3人は、プロデューサーの車で自宅まで送ってもらうところだった。
「良かったんですか? 送ってもらってしまって」
「んー? まあ、俺も直帰だしな。一番遠い春香が一番遅くなっちゃうけど」
「えへへ……そうしたらちょっとだけ2人きりに……」
「春香……顔がにやけてるぞ」
11: ◆uOJ/TvTGhw[saga]
2015/06/27(土) 12:50:07.50 ID:Q4dHKF280
マンションの階段を登る。響の部屋の前まで来た彼女は、ドアノブに手をかけ、扉を開けた。鍵はかかっていない。彼女も、鍵は持っていない。
「ただいま」
「おかえり」
彼女を出迎える、彼女と瓜二つの少女。我那覇響。この家の主。
「どうだった? 今日1日」
12: ◆uOJ/TvTGhw[saga]
2015/06/27(土) 12:52:43.48 ID:Q4dHKF280
親友、貴音そっくりの女性を見て、響は息を呑んだ。リビングから玄関の方を覗いているため、2人の会話はよく聞こえない。響は思わず2人に歩み寄っていった。
「……もう、満足ですか」
「うん、大満足だよ。事務所の皆には、気づかれないかちょっとドキドキしたけどな」
「な、なあ2人とも」
「なんでしょう、我那覇響さん」
13: ◆uOJ/TvTGhw[saga]
2015/06/27(土) 12:54:44.82 ID:Q4dHKF280
「はいさーい!」
事務所に響く快活な声。それに気づいた1人のアイドルが出入口の方へと目を向け、その声の主へ挨拶を返す。
「おはよう、響ちゃん」
「おはよう、我那覇さん」
「げげ、また2人より後だったー! いつもより早く来たのにー!」
14: ◆uOJ/TvTGhw[saga]
2015/06/27(土) 12:56:19.53 ID:Q4dHKF280
ひとまず完結。夕方頃に余談を1レス投下して〆ます。
15:名無しNIPPER
2015/06/27(土) 12:58:18.89 ID:Jh2hqmkPo
読みにくいから
一行下げた方がいいよ
16: ◆uOJ/TvTGhw[saga]
2015/06/27(土) 13:00:29.86 ID:Q4dHKF280
>>15
数レス投下してから気づきました。なんかもう後に引けない状態だったのでそのままにしましたが、余談1レスは行開けます。
17:名無しNIPPER
2015/06/27(土) 14:24:16.79 ID:gm9qj4VN0
元の世界ってどんなところなんだろう。春香の歌が上手かったりするんだろうか?
18:名無しNIPPER[sage]
2015/06/27(土) 14:47:57.78 ID:SmU+JfiAO
千早さんが巨乳で家族仲良し
19:名無しNIPPER
2015/06/27(土) 15:45:45.02 ID:4MBZbxnG0
なるほどこれか
fsm.vip2ch.com
20:名無しNIPPER
2015/06/27(土) 15:45:45.02 ID:4MBZbxnG0
なるほどこれか
fsm.vip2ch.com
21: ◆uOJ/TvTGhw[saga]
2015/06/27(土) 16:25:55.62 ID:Q4dHKF280
1レスと言っていましたが、行間開けたら2レスになりそうです。投下して〆たいと思います。
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