過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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226:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/18(土) 12:40:51.78 ID:zVr0z0Ijo
俺は専業主夫志望ということもあるし、男がいくら束になっても敵わないほど優秀な女子のサンプルが身近にあることもあってそういった思いはないが、女子には簡単に負けたくないというその一点においてのみ理解できる。

つまるところ、男子は女子にかっこ悪いところを見せたくないし、格好をつけたいのだ。それは俺もよくわかる。

だから、女子だけだと向こうにそういった男子がいた場合、面倒事を押し付けようとしてくる可能性がなきにしもあらずということだ。
以下略



227:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/18(土) 12:42:16.30 ID:zVr0z0Ijo
葉山がいれば事足りる、というか十二分にその役目を果たしてくれるのだろうが。

「はー、めんどくさいですね先輩は……。黙ってやるって言えばいいのに」

「いろはちゃん、これがヒッキーなんだよ……。でもね、いつもなんだかんだ文句言いながらちゃんとやってくれるの」
以下略



228:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/18(土) 12:44:09.63 ID:zVr0z0Ijo
「ええ。急だったし仕方がないわ。気にしないで」

「そうか、助かるよ。比企谷、任せたからな」

「ん?あ……おう」
以下略



229:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/18(土) 12:45:18.92 ID:zVr0z0Ijo
段ボールはめぐり先輩の目の高さまであり、足取りも覚束なくて危なっかしいったらありゃしない。自然と俺も体が動き、立ち上がっていた。

「めぐり先輩、持ちますよ」

「あ、比企谷くん。えへへ、ありがとねぇ」
以下略



230:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/18(土) 12:46:36.22 ID:zVr0z0Ijo
「は、はぁ。今からですか?ここじゃ……」

「うん、恥ずかしいから、ここだとちょっと……」

えぇー。そのあれは、その、あれですか?もう何がなんだかわからない。
以下略



231:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/18(土) 12:48:14.38 ID:zVr0z0Ijo
部屋を出てめぐり先輩に扉を閉めてもらう直前に、ぎゃあぎゃあと一色が騒いでいるのが聞こえたが気にしないことにした。

小さな歩幅で歩くめぐり先輩についていく。どこに行くのかだけを聞くと、三年の教室のほうまでお願いと言われたので頷く。

「……にしても重いですねこれ。何が入ってるんですか?」
以下略



232:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/18(土) 12:49:57.63 ID:zVr0z0Ijo
いつもおっとりしていてゆっくり話すめぐり先輩にしては珍しく、最後のほうは控えめで切なさを感じる口調に聞こえた。

「ほんとはもっと早く持って帰ろうとしてたんだけどね、これがなくなったらわたしが入れる部屋じゃなくなる気がして……」

そうか。あそこは一年間はめぐり先輩の部屋だったんだよな。
以下略



233:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/18(土) 12:50:53.09 ID:zVr0z0Ijo
「そうですか……。めぐり先輩の思い出とか、そりゃ重いわけですよ。俺なんかには特に」

「比企谷くんもこれから自分の箱に増やしていくんだよ?」

「スカスカじゃないといいですけどね」
以下略



234:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/18(土) 12:53:18.52 ID:zVr0z0Ijo
手を後ろで組んで俯き加減にしている仕草のまま放たれる台詞に、心臓が一度だけ強く跳ねる。

「……な、なんですか」

「ありがとう」
以下略



235:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/18(土) 12:54:40.24 ID:zVr0z0Ijo
「俺はそんな……。決めたのはあいつらですよ」

入ると決意をしたのはあの二人だ。その理由はそれぞれ違っていたかもしれないが、彼女たちは確かな意思と目的を持ってそう決めたはずだ。

俺はそこに自身の願望を無理矢理重ね、強引に居場所を作ろうとしたに過ぎない。
以下略



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