過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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251:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/22(水) 13:36:09.93 ID:fOxhNJlpO
「いや、来ていないよ。なぁ、比企谷」

平塚先生はそこで話を区切り、煙草を吸って紫煙を吐くと火を灰皿で揉み消しながら続きを話した。

「以前、ここで雪ノ下が生徒会長になるつもりだと話したとき、君はどうしようと思った?」
以下略



252:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/22(水) 13:36:49.62 ID:fOxhNJlpO
そんなあとからついてきた理屈なんかよりも先にあった拒否反応については口に出さなかった。

「そうか。だが今は、雪ノ下は生徒会長になり、由比ヶ浜も、比企谷も生徒会に入っているな」

「何か問題がありますかね」
以下略



253:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/22(水) 13:37:24.84 ID:fOxhNJlpO
そう言うと平塚先生は俺に満足げな笑顔を向け、二本目の煙草に火をつけた。俺の返答は正解だったのだろうか。

「まさか比企谷が生徒会に入るなんて思いもしなかったよ」

「似合わないとは思ってますよ、自分でも」
以下略



254:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/22(水) 13:38:03.04 ID:fOxhNJlpO
最初は無理矢理奉仕部に入れられたのだから、平塚先生にはなんらかの思惑があったんだろう。

そしてそれは未だ果たされていないと、目の前の先生は言っている。

「私が君を奉仕部に連れていった理由は覚えているか?」
以下略



255:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/22(水) 13:38:32.32 ID:fOxhNJlpO
「雪ノ下です」

「そうだ。つまり、雪ノ下は雪ノ下で更正すべき問題を抱えているということだ」

「はぁ」
以下略



256:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/22(水) 13:39:14.57 ID:fOxhNJlpO
「……雪ノ下の問題を解決するために、俺にやれることがあるってことですか?」

「察しがよくて助かるよ。やはり賢いな君は。だがそれは比企谷だけではなく、由比ヶ浜も、雪ノ下も同じだ。要するに、君たち三人はお互いの問題解決のために、お互いが必要な三人になっていると私は思っている」

お互いが抱えた問題。正すべき個人の性質。そんな重大なものに、俺なんかが踏み込んでもよいのだろうかという疑問が頭の中を巡る。
以下略



257:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/22(水) 13:39:54.03 ID:fOxhNJlpO
そしてそれはまちがってなどいない。なぜなら俺の変化は未だ表面的なものであり、本質的な部分は変わっていないからだ。

ならば変わったと感じる雪ノ下も由比ヶ浜も、表層的なものでしかないということだろうか。他人のことだから俺には判断がつかないが。

先生は以前、俺のやり方では本当に救いたい人は救えないと言った。
以下略



258:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/22(水) 13:40:35.55 ID:fOxhNJlpO
「そういうのは自分ではわからないものだ。わかるのはもっと進んで振り返ってからだな。では今日からのイベント準備、雪ノ下を支えてやってくれ」

雪ノ下を支えるか。今の俺にできることがそう多くあるとは思えないが、言われるまでもなくできるだけのことはやるつもりだ。

彼女の生徒会長としての初仕事を失敗させたくないから。雪ノ下にだけ負担を押し付けるなんてことは、もうしたくないから。
以下略



259:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/22(水) 13:41:20.26 ID:fOxhNJlpO
平塚先生、ぜんぜん昼飯の時間の考慮してくれねぇし!俺が何も言わなかったから食べたと思ってんだろうなぁ。

残り少ない時間でもパンぐらいならかじれるだろうと購買に向かったが、見事なほどに何も残っていなかった。

なんでこんな時に限って完売とかするかね……。間の悪い自分を呪いたくなる。
以下略



260:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/22(水) 13:42:10.48 ID:fOxhNJlpO

帰りのSHRが終わると、ぐったりとして机に突っ伏した。やっと終わった、長かった。

これから仕事に行くのかー。こんな状態で仕事のことなんか考えられるわけねぇだろ、くそっくそっ。空腹だとこんな風にイライラしますよね。

以下略



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