過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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255:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/22(水) 13:38:32.32 ID:fOxhNJlpO
「雪ノ下です」
「そうだ。つまり、雪ノ下は雪ノ下で更正すべき問題を抱えているということだ」
「はぁ」
256:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/22(水) 13:39:14.57 ID:fOxhNJlpO
「……雪ノ下の問題を解決するために、俺にやれることがあるってことですか?」
「察しがよくて助かるよ。やはり賢いな君は。だがそれは比企谷だけではなく、由比ヶ浜も、雪ノ下も同じだ。要するに、君たち三人はお互いの問題解決のために、お互いが必要な三人になっていると私は思っている」
お互いが抱えた問題。正すべき個人の性質。そんな重大なものに、俺なんかが踏み込んでもよいのだろうかという疑問が頭の中を巡る。
257:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/22(水) 13:39:54.03 ID:fOxhNJlpO
そしてそれはまちがってなどいない。なぜなら俺の変化は未だ表面的なものであり、本質的な部分は変わっていないからだ。
ならば変わったと感じる雪ノ下も由比ヶ浜も、表層的なものでしかないということだろうか。他人のことだから俺には判断がつかないが。
先生は以前、俺のやり方では本当に救いたい人は救えないと言った。
258:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/22(水) 13:40:35.55 ID:fOxhNJlpO
「そういうのは自分ではわからないものだ。わかるのはもっと進んで振り返ってからだな。では今日からのイベント準備、雪ノ下を支えてやってくれ」
雪ノ下を支えるか。今の俺にできることがそう多くあるとは思えないが、言われるまでもなくできるだけのことはやるつもりだ。
彼女の生徒会長としての初仕事を失敗させたくないから。雪ノ下にだけ負担を押し付けるなんてことは、もうしたくないから。
259:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/22(水) 13:41:20.26 ID:fOxhNJlpO
平塚先生、ぜんぜん昼飯の時間の考慮してくれねぇし!俺が何も言わなかったから食べたと思ってんだろうなぁ。
残り少ない時間でもパンぐらいならかじれるだろうと購買に向かったが、見事なほどに何も残っていなかった。
なんでこんな時に限って完売とかするかね……。間の悪い自分を呪いたくなる。
260:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/22(水) 13:42:10.48 ID:fOxhNJlpO
帰りのSHRが終わると、ぐったりとして机に突っ伏した。やっと終わった、長かった。
これから仕事に行くのかー。こんな状態で仕事のことなんか考えられるわけねぇだろ、くそっくそっ。空腹だとこんな風にイライラしますよね。
261:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/22(水) 13:42:46.76 ID:fOxhNJlpO
どうやら俺が生徒会に行きたくなくてぐだっていると思われているようだ。
確かに面倒ではあるが、行かねばならないと思っているのにそう受け取られるのはアレなので否定しておく。
「これは違う……」
262:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/22(水) 13:43:37.07 ID:fOxhNJlpO
「あ、ポッキーならあるよ。食べる?」
「くれんの、マジで?食う食う、超食う。今ならお前のクッキーでも喜んで食うわ」
「どういう意味だっ!もー、ヒッキーのバカっ」
263:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/22(水) 13:44:13.26 ID:fOxhNJlpO
「ちょっ、おい、離せっ。なんで引っ張るんだ」
「だって逃げるかもしんないし」
あー、そうか。由比ヶ浜は俺の監視と連行という任務を与えられてるんだったな。ちゃんと脱走の意思がないことを示さないといけないということか。
264:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/22(水) 13:44:48.36 ID:fOxhNJlpO
しばらく並んで歩いてからふとポケットに手を突っ込むと、いつもはそこにないものが手に触れ、言わなければならないことを思い出す。
「あ、これ返す。ありがとな」
借りていた由比ヶ浜のハンカチを取り出して手渡す。
265:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/22(水) 13:45:25.73 ID:fOxhNJlpO
「ほんとだ。ちょっと赤いかな?ぐらいだね」
「も、もういいだろ」
「う、うん」
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