過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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492:名無しNIPPER[sage]
2015/08/17(月) 05:50:10.23 ID:qLzRObr3o
キテルー
493:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/17(月) 05:50:40.70 ID:bDJjjpJNo
観察もほどほどに、何をしたらいいかわからず右往左往している小学生の元に向かうことにした。留美ちゃんがいたのは予想外だったが、俺は会長から頼まれたことをやらねばならない。
「じゃあ小学生のところへ行ってくるよ」
「……え、ええ。お願い」
494:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/17(月) 05:51:37.93 ID:bDJjjpJNo
だから昨日俺は、帰りの駅の方向が陽乃さんたちと同じいろはを、人払いの目的で買い物に付き合わせた。いろははそれをおそらくわかっていない。
こうして、少しずつ罪悪感が増していく。俺がいい奴?冗談じゃない。他人を利用するだけ利用して、何も報いていない人間がいい奴なわけがない。
罪悪感は、自分を許すための免罪符だ。
495:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/17(月) 05:53:54.67 ID:bDJjjpJNo
「そんなことはないさ。結衣には結衣にしかできないことがあるし、みんなも助けられてるよ」
「それ……隼人くんも、ほんとにそう思う?」
隼人くんも。俺以外にもそう評価している人がいるということだ。実際、その評価は正しいと思う。結衣は俺が見たって、誰が見たっていい子だ。
496:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/17(月) 05:55:52.05 ID:bDJjjpJNo
「……そっか。うん、ありがと隼人くん。ちょっと元気、出たかも」
「そうか。それならよかった。じゃあ行こうか」
「うん」
497:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/17(月) 05:58:14.25 ID:bDJjjpJNo
案自体は比企谷のものだが、実際に恐怖を味わわせたのは俺だから、俺から留美ちゃんに話しかけるのは躊躇われた。見かねた結衣が話しかけてくれてはいたが、成果は芳しくなかったようだ。
作業をする小学生たちから少し離れた場所で結衣と話す。
「あんなことをしたのに、あまり変わってないな」
498:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/17(月) 06:01:42.96 ID:bDJjjpJNo
「…………うん」
結衣が頷くまでの少しの間は、留美ちゃんというより、話しかけにいく俺を気にかけていたからなのかもしれない。
留美ちゃんは長いソファーベンチの端にちょこんと座り、ハサミを器用に使って一人で星形の飾りを作っていた。そこへ向かい声を掛ける。
499:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/17(月) 06:02:31.47 ID:bDJjjpJNo
「座らずに立ったままで話しかけるかな」
「…………なら、座れば?そこに立たれると邪魔」
「そうか、ありがとう」
500:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/17(月) 06:03:15.11 ID:bDJjjpJNo
「そうか……。なら、意味はあったのかな」
「…………でも」
「でも?」
501:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/17(月) 06:04:31.21 ID:bDJjjpJNo
「お節介か、そうだね。でも君のことを見てたらなんとなく、何かできないかと思ったんだ」
あんな悪役を引き受けても構わないと思ったのは、根はいい子達だと信じたかったからというのも確かにある。
だがそれよりも、知りたいことがあったから引き受けた。過去に俺がやった失敗は、違うやり方なら変えられることはできたのだろうか。あそこにいたのが俺ではなく、比企谷だったら何かを変えられたのか、それが知りたかった。
502:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/17(月) 06:07:34.49 ID:bDJjjpJNo
「べ、別にいい。用なんかないから」
「そうか。じゃあ少し手伝うよ」
置いてあった箱に入っている紙とハサミを取ろうとすると、留美ちゃんはそれを拒絶するように箱を抱えて首を振った。
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