過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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555:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:23:28.35 ID:k1AwEidto
幼い彼女はまだ知らないかもしれないが、社会はそういう人で溢れていることを少し教えてやるとするか。……PTAとかに言われたらえらいことになるな、やっぱやめとこう。

外に出てキョロキョロと辺りを見回すと留美はすぐに見つかった。一人でぽつんと座って飾り作りに没頭しているところに近づき、右手を挙げながら声をかける。

「よう」
以下略



556:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:24:21.25 ID:k1AwEidto
「…………別に、ないけど」

留美は小馬鹿にしくさった口調でそう言うと、また折り紙に視線を固定した。ほーん、葉山、嘘じゃねぇかこの野郎。どういうつもりだ。

「そうかよ」
以下略



557:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:24:56.71 ID:k1AwEidto
言ってから、言葉だけ聞くとかなりまずいアレなやつに聞こえる可能性に気がついた。

心配になったので、誰も聞いてないよなと辺りを見回したが幸い誰もいなかった。

「……暇なの?」
以下略



558:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:25:36.63 ID:k1AwEidto
「だよな。馬鹿みてぇだし、さっさと決めねぇとな。けど今はこれをやる」

留美からの返事はなかった。それからは静かな時間の中、二人で黙々と飾りを作り続けた。

集中力が必要な作業はお手のものだ、一人の世界に入り込むのは得意だからな。そして、考え事をするにはやはりこの中が一番だ。
以下略



559:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:26:48.99 ID:k1AwEidto
俺はこれからも、可能な限り一人でなんでもやろうとするだろう。けれど俺一人の力なんてたかが知れているから、出来ないこともたくさんある。

そのとき、俺に足りないものを持つ人が傍にいてくれたなら、お互い様だと思ってくれて押し付けあえるなら。

俺にはないものを持っている他人だから、眩しくて、憧れて。だから俺はもっと、そいつらのことをわかりたい。知りたい。
以下略



560:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:27:21.19 ID:k1AwEidto
「これで最後か?」

「うん……」

留美は満足げな吐息とともに小さな笑顔を見せた。が、それが恥ずかしかったのかすぐに顔を逸らして押し黙ってしまった。
以下略



561:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:28:05.93 ID:k1AwEidto
しかし俺は葉山と違って、馴れ馴れしく女子の下の名前を呼び捨てにすることに抵抗がある。が、相手は小学生だ。臆する必要などない……よね?

「…………またな、留美」

「……うん。またね、八幡」
以下略



562:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:28:47.64 ID:k1AwEidto


期待はしていなかった会議が予想通り何事もなく終わると、すぐに葉山に声をかけられた。

二人で席を外して話をすると、葉山は今の雪ノ下には多くを望まない方がいいだろうと言っていた。
以下略



563:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:29:38.05 ID:k1AwEidto

ここから出るときは一層寒さが堪える気がする。これは毎度毎度晴れない気持ちでいるからというのも多分にあるだろう。

晴れた気持ちでここを出ることができるのはいつになるのだろうか。

以下略



564:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:30:10.34 ID:k1AwEidto
「いえ、自転車あるんでいいです。遠くないですし」

「そうか、なら私が降りよう。停めてくるから少しそこで待っていたまえ」

俺に何も言わせないまま平塚先生は重低音のエンジン音を響かせて行ってしまった。
以下略



565:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:30:43.96 ID:k1AwEidto
「ああ、簡単には雪ノ下から聞いているよ。ただ、比企谷から見た意見も聞きたいんだ」

「はぁ、そうですか」

「なんだその反応は。ま、立ち話もなんだな。そこのカフェに入ろうか、奢りだ」
以下略



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