過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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721:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/23(水) 22:34:29.48 ID:F2YtpCULo
あー、もうちょっとで投下できるなーと思いつつ三日ぐらいが経過
次は少し長め、かも


722:名無しNIPPER[sage]
2015/09/24(木) 00:37:15.60 ID:+pPZNulao
待ってる


723:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 00:00:10.01 ID:vhSqVbECo


「お疲れ様、二人とも」

「由比ヶ浜さんも……今はここにいないみんなもよ。お疲れ様」
以下略



724:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 00:00:50.66 ID:vhSqVbECo
海浜高校側の企画も当初の予定より随分スケールダウンはしていたが、バンド演奏もクラシックコンサートも見事なものだった。終わってからの玉縄のドヤ顔が少し鼻についたが、正直見直した。

一方の俺たちの演劇もなかなかのものだったように思う。主演女優の留美は堂々と主役をこなし、天使のけーちゃんはマジ天使だった。あれたぶん俺の作った羽根。

ハラハラしながら必死にけーちゃんの写真を撮る川崎は、普段の無愛想さが嘘のようで大分印象が変わった。あいつも可愛とこあるんだなぁ……。ていうかかーちゃんだろあれ。
以下略



725:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 00:01:30.44 ID:vhSqVbECo
留美を含めた小学生に取り囲まれた葉山は苦笑いを浮かべ、俺と由比ヶ浜はそれを遠巻きに眺めては顔を見合わせて照れ臭そうに笑い合った。

会場には笑顔が溢れていた。留美の笑顔を見ても、もう心は痛まなかった。今の俺はそれを見て青春とは欺瞞だなんてことは思えなかった。

誰かと共に何かを成したと、謙遜なく言えることなんてこれまでにはなかった経験だ。そんなことで達成感や満足感を得ることができるなんて考えたこともなかった。
以下略



726:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 00:02:19.91 ID:vhSqVbECo
頬杖をついたままの由比ヶ浜が独り言のように呟く。視線は鮮やかなオレンジ色に染まる窓の外へ向けられたままだ。

淡い陽光の中、二人で話しながら帰った転機の日を思い出す。あのときと同じような色の空だが、由比ヶ浜はどうなのだろうか。あのときのような顔はしていないだろうか。ここからでは表情は見えないのでわからないけれど。

「ああ、やっとだな。期間にしたらそれほどでもねぇんだけど、すげぇ長く感じたわ……」
以下略



727:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 00:03:39.37 ID:vhSqVbECo
雪ノ下からの返事がないので目をやると、姿勢正しく腕を組んだまま俯いている。というより、頭が垂れ下がっている、項垂れているというほうが正しいか。

「ゆきのん?」

由比ヶ浜が席を立ち、見えなくなっている雪ノ下の顔を下から覗き込む。
以下略



728:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 00:04:21.96 ID:vhSqVbECo
「ああ。……少しでも、力になれてたらいいんだけどな」

庶務としての雑用ならたくさんやったが、あんなのは別に俺じゃなくたって何も問題ない。力になれたと俺が断言するのは、俺でなくてはならない何かを果たしてからにしたい。

やっぱり傲慢だな、俺は。特別なことを雪ノ下と由比ヶ浜に求めすぎだと我ながら思う。
以下略



729:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 00:05:19.11 ID:vhSqVbECo
自分に甘めな評価をするだけなんですけどね。ただそれでも良いところより悪いところのほうが多く目に付くのが悲しい。

「あはは、そりゃヒッキーはいいとこいっぱいあるもん。羨ましいな……」

由比ヶ浜の声音が語尾に向かうにつれて弱くなっていくのを聞いて、言葉に嘘はなさそうだと感じた。こいつは心からそう思っているようだ。
以下略



730:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 00:06:09.01 ID:vhSqVbECo
「……何が」

「三人の新しい居場所で、生徒会でいろいろやれてさ、いろはちゃんも隼人くんもいて……。今、楽しいの。あたし」

「それじゃ答えになってねぇだろ」
以下略



731:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 00:08:18.47 ID:vhSqVbECo
胸が詰まる思いがして返事をすることはできなかったが、由比ヶ浜も別に返答を求めてはいないようだった。

このままでなくしてしまうのは俺かもしれない。当然壊すだけで終わらせたいわけじゃないが、静かな水面に石を投げ込むような行為をしようとしているのはわかっていたから、何も言うことができなかった。

会話が途切れ静かになると、雪ノ下の微かな寝息だけが聞こえる。
以下略



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