153:名無しNIPPER
2015/07/13(月) 22:39:51.82 ID:mAIq3Puio
ただ。
いなくなってしまったことすらも気付かれずに。
その生をまるごと誰かに譲り渡してしまうような最期を迎えた子を、私は知っているから。
154:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 22:41:04.38 ID:mAIq3Puio
「ほむらちゃん、来てくれてありがとう」
「……」
155:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 22:42:05.14 ID:mAIq3Puio
◆
156:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 22:43:02.25 ID:mAIq3Puio
しばらくして、救急車が来て。
全員でそのまま病院に行って、しばらくしたら病院に警察が来て。
私は第一発見者、兼、容疑者として、連れていかれた。
157:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 22:44:03.84 ID:mAIq3Puio
家に帰って横になろう。
それだけ考えていた私の目の前に、見慣れた影が現れた。
「暁美さん、おつかれさま」
158:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 22:44:44.26 ID:mAIq3Puio
頭を一つ下げて。
だけど、それ以上に関わりを持ちたいと今は思えなくて。
脇を通り過ぎた。
159:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 22:46:25.67 ID:mAIq3Puio
そのまま、巴マミの足音が少しずつ遠くなっていく。
言い逃げなんて、ずるいことをする。
私の答えも聞かぬままに、行ってしまった。
160:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 22:47:48.49 ID:mAIq3Puio
ドアを乱暴に開けた。
込めたつもりの力の割に、それはゆっくりとしか動かない。
161:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 22:48:41.75 ID:mAIq3Puio
静かだった。
とても久し振りに、何の音も声も無かった。
視力の矯正に使っている魔力を、解いてみた。
162:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 22:49:37.04 ID:mAIq3Puio
いたいなあ。
そう言おうとして、言えなかった。
じんじんと痛むおでこを抑えて、私は床の上で仰向けになった。
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