76: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/07/17(金) 20:00:50.72 ID:2crIewa0o
振り返ると、そこにいたのはプロデューサーでしたがプロデューサーじゃありませんでした。
かっちりと着込んだスーツは、普段よりちょっと硬めかな、という程度ですが、オールバックの髪形と合わさるとまるで意味が変わってきます。
街を歩けば、人垣が割れるように道ができるであろうたたずまい。
出来れば関わりたくない世界の人に見えてしまいます。
77: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/07/17(金) 20:02:06.96 ID:2crIewa0o
「律子君、萩原君。中で彼が待っているよ」
支離滅裂な思考を現実に引き戻してくれたのは、社長の一言でした。
さっきの格好の件も含めてちゃんと事情を聴かないと。
78: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/07/17(金) 20:03:08.67 ID:2crIewa0o
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79: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/07/17(金) 20:04:09.71 ID:2crIewa0o
そういって見せられたのは雑誌か何かの記事のようでした。
その原稿に踊る文字を見て、驚きや恐怖、そのほかいろいろな感情で目の前が真っ暗になりました。
『男嫌いのアイドル 萩原雪歩の真実』
80: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/07/17(金) 20:05:48.44 ID:2crIewa0o
「それで社長に、向こうの責任者と会えるように取り計らってもらったんだ」
「あんな、怒りを無理やり押し殺したようなプロデューサーは初めて見ました。無表情ってものすごく怖いんですね」
81: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/07/17(金) 20:08:33.88 ID:2crIewa0o
辞表。
その単語に、止まっていた思考が動き出す。
辞める?
プロデューサーがいなくなる?
82: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/07/17(金) 20:09:32.20 ID:2crIewa0o
「ダメですっ!プロデューサーが辞めるなんてっ、私なんかのためにっ!!」
「……ゆき、ほ?」
83: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/07/17(金) 20:10:31.60 ID:2crIewa0o
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84: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/07/17(金) 20:11:30.65 ID:2crIewa0o
「次に。仮にあなたが辞めたことで丸く収まったとして、その後私たちは報復の対象になりますよね?」
「それは……」
85: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/07/17(金) 20:12:13.96 ID:2crIewa0o
「そして、これが一番大事ですが、あなたはそれでプロデューサーとしての責務を果たしたと言えるんですか?」
「し、しかし、雪歩を守るためには……」
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