過去ログ - 城廻めぐり「真相の先には」
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11:名無しNIPPER
2015/07/21(火) 12:02:17.53 ID:YMdcm1g70
週末明けて月曜日。二月も中旬に入り、試験まで約一週間というところ。

担当の教師が事務的に出席をとると、号令もなしに全員が勉強にとりかかる。

わたしはというと、眠気が残っているせいでどうしても気分が乗らず
以下略



12:名無しNIPPER
2015/07/21(火) 12:03:42.36 ID:YMdcm1g70
慣習的に、第二学年の首席入学者が読むことになっているから人選に手間取ることはないだろう。

今日にでも取り掛かろう。私の記憶が正しければ、二年の首席合格は雪ノ下さんだったはず。

……そういえばあの部屋には比企谷くんもいるんだっけ…
以下略



13:名無しNIPPER
2015/07/21(火) 12:04:27.26 ID:YMdcm1g70
すこし迷ってから、平塚先生に確認してみよう、と思った。職員室へ向かうために歩き出す。

「なにか御用ですか?」

背後からの声に、足がつんのめった。
以下略



14:名無しNIPPER
2015/07/21(火) 12:05:35.74 ID:YMdcm1g70
カチリとロックの解除音が聞こえ、私は中に通された。

入ると、ひんやりとした空気に変わる。反射的にマフラーをきつく締めた。
 
「座っててください。紅茶を入れますね」
以下略



15:名無しNIPPER
2015/07/21(火) 12:06:14.49 ID:YMdcm1g70
「比企谷くんは?」
 
「彼については存じありません。 しばらくしたら来ると思いますよ」

 「そうなの」
以下略



16:名無しNIPPER
2015/07/21(火) 12:07:03.37 ID:YMdcm1g70
と、誰かがこちらに向かってくるのが見える。

中肉中背。ポケットに手を突っ込み、擬音をつけるとしたら、ふらふらであろう力弱い歩み。

ぼんやりとしているのか私には気付いていない様子。
以下略



17:名無しNIPPER
2015/07/21(火) 12:08:09.11 ID:YMdcm1g70
「あの…私のこと、知らない?」
 
「いえ。知っていますよ。城廻先輩でしょう」

 「はーい」
以下略



18:名無しNIPPER
2015/07/21(火) 12:08:57.53 ID:YMdcm1g70
「お願いがあるの」

少しの枕話をしたあと、そう切り出した。生徒会室にいるのは、

私と比企谷くんの二人だけ。他の役員は誰もいない。
以下略



19:名無しNIPPER
2015/07/21(火) 12:09:38.41 ID:YMdcm1g70
うすうす思っていたことだけど、彼は受け入れている。

「誤解なんでしょう? 相模さんの件」

あの日以来、向けられる冷たい視線も。
以下略



20:名無しNIPPER
2015/07/21(火) 12:10:35.77 ID:YMdcm1g70
「そうだよね…やっぱそうだよね」

「城廻先輩は、何も悪くないでしょう」

「ううん」
以下略



21:名無しNIPPER
2015/07/21(火) 12:11:12.80 ID:YMdcm1g70
彼は一礼して立ち去ろうとした。「比企谷くん」背中に向かって声をだす。

「私ね、もうすぐ受験なの。 合格発表の日、一緒に来てくれないかな」

「唐突ですね」
以下略



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