過去ログ - 城廻めぐり「真相の先には」
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12:名無しNIPPER
2015/07/21(火) 12:03:42.36 ID:YMdcm1g70
慣習的に、第二学年の首席入学者が読むことになっているから人選に手間取ることはないだろう。

今日にでも取り掛かろう。私の記憶が正しければ、二年の首席合格は雪ノ下さんだったはず。

……そういえばあの部屋には比企谷くんもいるんだっけ…
以下略



13:名無しNIPPER
2015/07/21(火) 12:04:27.26 ID:YMdcm1g70
すこし迷ってから、平塚先生に確認してみよう、と思った。職員室へ向かうために歩き出す。

「なにか御用ですか?」

背後からの声に、足がつんのめった。
以下略



14:名無しNIPPER
2015/07/21(火) 12:05:35.74 ID:YMdcm1g70
カチリとロックの解除音が聞こえ、私は中に通された。

入ると、ひんやりとした空気に変わる。反射的にマフラーをきつく締めた。
 
「座っててください。紅茶を入れますね」
以下略



15:名無しNIPPER
2015/07/21(火) 12:06:14.49 ID:YMdcm1g70
「比企谷くんは?」
 
「彼については存じありません。 しばらくしたら来ると思いますよ」

 「そうなの」
以下略



16:名無しNIPPER
2015/07/21(火) 12:07:03.37 ID:YMdcm1g70
と、誰かがこちらに向かってくるのが見える。

中肉中背。ポケットに手を突っ込み、擬音をつけるとしたら、ふらふらであろう力弱い歩み。

ぼんやりとしているのか私には気付いていない様子。
以下略



17:名無しNIPPER
2015/07/21(火) 12:08:09.11 ID:YMdcm1g70
「あの…私のこと、知らない?」
 
「いえ。知っていますよ。城廻先輩でしょう」

 「はーい」
以下略



18:名無しNIPPER
2015/07/21(火) 12:08:57.53 ID:YMdcm1g70
「お願いがあるの」

少しの枕話をしたあと、そう切り出した。生徒会室にいるのは、

私と比企谷くんの二人だけ。他の役員は誰もいない。
以下略



19:名無しNIPPER
2015/07/21(火) 12:09:38.41 ID:YMdcm1g70
うすうす思っていたことだけど、彼は受け入れている。

「誤解なんでしょう? 相模さんの件」

あの日以来、向けられる冷たい視線も。
以下略



20:名無しNIPPER
2015/07/21(火) 12:10:35.77 ID:YMdcm1g70
「そうだよね…やっぱそうだよね」

「城廻先輩は、何も悪くないでしょう」

「ううん」
以下略



21:名無しNIPPER
2015/07/21(火) 12:11:12.80 ID:YMdcm1g70
彼は一礼して立ち去ろうとした。「比企谷くん」背中に向かって声をだす。

「私ね、もうすぐ受験なの。 合格発表の日、一緒に来てくれないかな」

「唐突ですね」
以下略



22:名無しNIPPER
2015/07/21(火) 12:12:00.33 ID:YMdcm1g70
受験の日はあっという間にやってきた。

私立大学だから午前中ですべてが終わる。この午前中で今年の生活が決まる。

自信は…まあ普通と言っておこう。
以下略



23:名無しNIPPER
2015/07/21(火) 12:12:56.16 ID:YMdcm1g70
終わった。部屋の本棚を埋め尽くしていた参考書。数式で埋め尽くされたノート。

受験にかかわったモノは、もう何も見たくない。

明日からしばらく続く、平和で穏やかな日々を満喫しよう。
以下略



24:名無しNIPPER
2015/07/21(火) 12:13:39.25 ID:YMdcm1g70
家を出るとき一面に雲が張りついていた空は、いつのまにか晴れ模様。差し込む微弱な陽光は気持ちが良い。

冷たい風が吹かなければ完璧なんだけど。

校門からでた私に、手を振る女の子がいた。
以下略



25:名無しNIPPER[sage]
2015/07/21(火) 12:17:04.75 ID:7YSHRGzLO
んー?
なんでめぐりんが受験してんの?


26:名無しNIPPER
2015/07/21(火) 13:05:29.14 ID:YMdcm1g70
「比企谷先輩は? 来てましたか?」

 渡るべき横断歩道が見えたとき、一色さんが口を開く。

「ううん。来てなかった」
以下略



27:名無しNIPPER
2015/07/21(火) 13:06:01.49 ID:YMdcm1g70
言葉の意味が読み取れず首を傾げる私に、人差し指で遠くを指し示す。「ほら」

私の目に飛び込んできたのは、歩道橋に立ちこちらを見据える彼。だらしなく欄干にもたれた、やる気なさげな佇まいはいつもの彼。

「比企谷先輩、待ってますよ」
以下略



28:名無しNIPPER[sage]
2015/07/21(火) 13:11:49.21 ID:YMdcm1g70
お わ り


29:名無しNIPPER[sage]
2015/07/21(火) 13:31:05.87 ID:YqiYkh76o
乙です


30:名無しNIPPER[sage]
2015/07/21(火) 13:37:47.20 ID:R0Kwguf9O
乙、キラキラした目のヒッキーとかただのイケメンじゃないか


31:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/21(火) 19:16:09.62 ID:fnqvcz9ZO
誰だ、こいつら


32:名無しNIPPER[sage]
2015/07/21(火) 23:44:47.97 ID:VkQxoo3i0
乙です
もっと読みたかった……!


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