1: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2015/07/25(土) 00:59:54.19 ID:qmzFL8mx0
まだ空が青い時間に、寄り道をしようと思った。
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2: ◆8dLnQgHb2qlg[saga]
2015/07/25(土) 01:16:10.89 ID:qmzFL8mx0
中間テストの最終日。残った教科を午前中に終え、お仕事があるのも明日から。
今日は午後から暇になった。
ここ最近は受験勉強にテスト勉強が重なって、そこに減らしてもらっているとはいえお仕事もあったから、とても忙しかった。
今日くらい、ゆっくり羽を伸ばしたいところなんだけれど。
3: ◆8dLnQgHb2qlg[saga]
2015/07/25(土) 01:17:05.07 ID:qmzFL8mx0
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4: ◆8dLnQgHb2qlg[saga]
2015/07/25(土) 01:17:32.93 ID:qmzFL8mx0
やってきたのは事務所。
途中でお昼ご飯を買って、私たちの使っているフロアで食べている。
ここのパンは昼過ぎには売り切れることもあるけれど、今日は好きなものが少し残っていて、買ってからここに来るまで早く食べてしまいたくてしかたなかった。
事務所は平日の昼間となると人がほとんど居ない。
5: ◆8dLnQgHb2qlg[saga]
2015/07/25(土) 01:18:12.73 ID:qmzFL8mx0
「で、今日は休みのはずだけど。どうかしたのか?」
「特に意味はないんですけど……強いて言えばやることが思いつかなかったので」
6: ◆8dLnQgHb2qlg[saga]
2015/07/25(土) 01:18:55.64 ID:qmzFL8mx0
「ところで、それひとつくれたりは?」
「しません。楽しみにしてたんですから」
7: ◆8dLnQgHb2qlg[saga]
2015/07/25(土) 01:19:37.90 ID:qmzFL8mx0
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8: ◆8dLnQgHb2qlg[saga]
2015/07/25(土) 01:20:13.34 ID:qmzFL8mx0
時間が過ぎて、もうすぐ夕方に差しかかる頃。
あれからほとんど人が来ることもなく、たまにお互いにお茶を淹れたりお菓子を出したりしているうちに随分時間が経った。
私のいるところは仕切られているし背を向けているから見えないけれど、キーボードを叩く音が聞こえるからまだ仕事が残っているんだろう。
9: ◆8dLnQgHb2qlg[saga]
2015/07/25(土) 01:21:10.15 ID:qmzFL8mx0
「藍子ちゃんもでしたか。それなら話が早いですね」
「どうかしましたか? なにか用事でも?」
10: ◆8dLnQgHb2qlg[saga]
2015/07/25(土) 01:21:36.56 ID:qmzFL8mx0
「わかりましたよ。じゃあキリがいいところまでやったら帰りますから」
「そうですね……CGプロダクションの募集要項に勤務時間各自の裁量制ってあるの知ってますか?」
11: ◆8dLnQgHb2qlg[saga]
2015/07/25(土) 01:22:08.84 ID:qmzFL8mx0
「それじゃあ藍子ちゃんのこと、しっかり送ってあげてくださいね」
「と言われても、俺は今日歩きなんですけど?」
12: ◆8dLnQgHb2qlg[saga]
2015/07/25(土) 01:22:43.82 ID:qmzFL8mx0
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13: ◆8dLnQgHb2qlg[saga]
2015/07/25(土) 01:23:19.74 ID:qmzFL8mx0
あれから電車に乗って私の降りる駅まで来た。
ここまでは夕方ということもあって、満員ではないけれど座席に座ることはできなかった。
「プロデューサーさんもここで降りるんですか?」
14: ◆8dLnQgHb2qlg[saga]
2015/07/25(土) 01:24:28.88 ID:qmzFL8mx0
改札を抜けると、人波にさらわれてはぐれてしまった。
少し距離を離されて、小走りで追いつく。
プロデューサーさんは私が居ないことに気づいたようで、駅の外で待っていてくれた。
15: ◆8dLnQgHb2qlg[saga]
2015/07/25(土) 01:25:10.47 ID:qmzFL8mx0
ひとまず、駅前の大きな通りに沿って歩く。
私の家はこの通りの先の方だから、方向は間違ってないんだけど。
「ええと、どこに行きましょう……?」
16: ◆8dLnQgHb2qlg[saga]
2015/07/25(土) 01:25:44.36 ID:qmzFL8mx0
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17: ◆8dLnQgHb2qlg[saga]
2015/07/25(土) 01:27:03.33 ID:qmzFL8mx0
公園に着いて、中に入る。
まだ下校の時間には少し早く、人通りは疎らだった。
「ほら、あれですよ。ここに来た理由」
18: ◆8dLnQgHb2qlg[saga]
2015/07/25(土) 01:27:31.66 ID:qmzFL8mx0
ちょうどお客さんは誰もいなくて、すぐに注文することができた。
「もう決まりましたか?」
19: ◆8dLnQgHb2qlg[saga]
2015/07/25(土) 01:28:05.73 ID:qmzFL8mx0
それほど待つこともなく私の分も受け取って、すぐ近くのベンチに座った。
鞄を脇に置いて、スプーンでアイスを少し掬う。
「お、これ美味いな。そっちは……言うまでもないか」
20: ◆8dLnQgHb2qlg[saga]
2015/07/25(土) 01:28:53.44 ID:qmzFL8mx0
「それもそうだ。俺の方はもう半分もないか……」
「プロデューサーさんが早いだけです」
21: ◆8dLnQgHb2qlg[saga]
2015/07/25(土) 01:29:44.54 ID:qmzFL8mx0
プロデューサーさんが戻ってくるまで、公園を眺めて過ごす。
少し前から吹き始めた風が枝を揺らしている。
空は遠くの方がオレンジに染まっていた。
秋は夕暮れから冷え込むのが早い。
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